ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > その話、本当に大丈夫? 1 振り込め詐欺と振り込ませない詐欺
日本各地で、東日本大震災の被災者のための義援金募集が行われています。これに乗じて、悪質な義援金詐欺の話も聞くようになってきました。一般に、災害時など通常と異なった状況では、人々の心の状態も通常とは異なり、詐欺の被害に遭いやすい状態になっています。
詐欺は、老後の資金を蓄えている高齢者層が被害に遭うことが多く、大きな社会問題になっています。詐欺の中でも振り込め詐欺は、被害も大きく、特に気をつける必要があります。詐欺に対抗するためには「詐欺師の手口」を知ることが欠かせません。そのため、今回と次回は、2回に渡って代表的な詐欺の手口をまとめて紹介します。
・振り込め詐欺とは?
振り込み詐欺は、なりすまし電話で言葉巧みにお金を振り込ませる手口です。警察などによる人々への注意喚起がなされて、ずいぶん防げるようになりましたが依然として続いています。当初は電話口で「おれ!おれだよ!」と言って、孫や息子になりすます手口が代表的だったため「オレオレ詐欺」と呼ばれたのは、よく知られているところです。
・本人に確認させない巧みな手口も発生
最近は、電話でのなりすましのさいに、勤め先や、友人や親戚の名前、出身校などの個人情報を利用した巧みな話術で、息子や孫だと思い込ませる手法も使われています。本人に確認させないようにするために、あらかじめ「電話番号が変わった」という電話をかける場合もあります。「電話番号の変更」の後に、「お金が必要」という連絡があった場合、オレオレ詐欺タイプの「振り込め詐欺」であることが疑われます。
家族を名乗って「携帯電話の番号が変わった」と電話がかかってきた場合、まずは落ち着いて慎重に会話をするように心がけましょう。元の番号や、メールなどの別の連絡手段で確認することも重要です。
・日本発で世界に拡がる「オレオレ詐欺」
「オレオレ詐欺」は、日本人の人の良さにつけ込む日本独特の詐欺手口と考えられていました。しかし、最近では手口が海外に輸出され、「オレオレ詐欺」を直訳した「"It's Me" Fraud」 と呼ばれて海外の高齢者の方々も被害に遭っているようです。肉親の「情」は、国境や文化に左右されない、人が持つ共通の感覚です。そのため、それにつけ込んだ卑劣な手口にも洋の東西はないということです。
・さまざまな役者、さまざまなシナリオで詐欺を働く
振り込め詐欺には、なりすまし電話の向こうで、警察官、被害者、弁護士など、色々な人物を装った人間が役者のごとく登場する劇場型詐欺とも呼ばれる手口もあります。時代背景に応じて事件の示談金、未払い金、公金還付の保証金など、多様な口実・手口が使われています。今後、震災を口実とした手口が出てくることも十分に考えられます。
・「振り込ませない」詐欺も発生
最近では、銀行協会などと名乗って電話をかけ、巧みに暗証番号を聞き出した後に、銀行員を装った人間が訪ねてキャッシュカードをだまし取る手口が発生しています。暗証番号を聞き出した後、キャッシュカードが詐取されるため、これの被害に遭うと、全財産を失ってしまいます。
・キャッシュカードは「金庫のカギ」
「キャッシュカードをお預かりします」のセリフがこの詐欺の特長です。このセリフを聞いたら、すぐに誰かに相談することです。場合によってはすぐに「110番」をしてください。キャッシュカードは、銀行口座という名前の金庫のカギそのものです。簡単に他人に渡してはいけません。
今回は、振り込め詐欺の具体的手口と、最近増えているキャッシュカードを詐取する手口について紹介してきました。次回は、それ以外の詐欺の手口について紹介したいと思います。
(参考)
・安心豆知識「詐欺師の使う話術から身を守る方法」(2010/1/4)
・安心豆知識「安心への第一歩は情報の入手から」(2010/9/6)
・データから読む「増加に転じたオレオレ詐欺」(2011/2/16)
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