ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 受験のゲン担ぎとイノベーション
・受験の"ゲン担ぎ"、きっかけは?
1月も末、大学入試センター試験も終わり、世の中は受験シーズンに突入しています。今の時期、それに合わせるかのように、スーパーの売り場では、節分の豆や恵方巻きに加え、さまざまな受験ゲン担ぎのお菓子を見かけるようになっています。
「受験ゲン担ぎ」による拡販活動(マーケティング)のきっかけは、お菓子会社が作ったものではありません。ある受験生の話がネットやメディアで広がったことが、その始まりだそうです。ワラにもすがりたい思いのその受験生が、あるチョコの商品名が「きっと勝つ」という音に似ていることに気づき、そのチョコを食べて合格祈願をしたとか。今では、「受験ゲン担ぎ」は、お菓子に限らず、さまざまな食品や日用品にまで及ぶマーケティングの手段になっています。
・「受験ゲン担ぎ」はイノベーション!?
この「受験ゲン担ぎ」マーケティング、単なるゴロ合わせと侮るなかれ。今のビジネスシーンで話題となる「イノベーション」の一つであると考えることができるのです。
日本では、多くの人が先進技術や技術革新のことをイノベーションであると誤解していますが、そう単純ではありません。たとえば、「矢印」で考えてみましょう。多くの人が「矢印の長さ」を大きく伸ばすことを、イノベーションだと考えています。しかし、これは進歩であって、イノベーションだとは必ずしも言えません。イノベーションとは、たとえ、小さな矢印であったとしても、その「矢印の向き」を変えること、今までにない「新しい視点」(新機軸)を見出すことなのです。
・シュンペーターによるイノベーションの5分類
その概念を提唱した経済学者、シュンペーター(1883-1950)は、イノベーションを「(1) 新しい(今までにない)商品・サービスの創出、(2) 新しい生産方法の開発、(3) 新しい市場の開拓、(4) 新しい組織の実現、(5) 新しい買い付け先開拓」の5つに分類しました。
この分類で考えると、21世紀に入って見られるようになった「受験ゲン担ぎ」マーケティングは、20世紀には存在しなかった新しい売り場を作ったという意味で、「今までにない新しい市場」を開拓したイノベーションと言えるのです。
・セコムが始めたセキュリティサービスの場合は?
さて、セコムの前身である日本警備保障が1962年に始めた「外部の専門家によるセキュリティサービス」、そして1966年に始めた「オンラインセキュリティサービス」の場合はどうでしょう。
セコムが「安全のプロを派遣する形のセキュリティサービス」を始めた頃(1962年)、そして「オンラインセキュリティサービス」を始めた頃(1966年)、技術という観点からは、そこにあったのは当時の普通の技術の組み合わせであって、画期的な新しい技術はありませんでした。
しかし、これらは、技術の使い方という観点では、これまでにない全く新しいものであったのです。すなわち、これらのサービスは、それまでの「矢印の向き」を変え、その時までは当然と考えられていた視点を大きく転換する「"全く新しい視点"からのサービス」であり、イノベーションそのものだったと言えるのです。
(前者は、シュンペーター分類の (1)〜(4)、後者は(1)〜(5)を満たしています)
・ガンバレ受験生!
今の時代に、受験期を迎え、これから入学試験を受けようとする若者には、少子高齢化が進み、変化しつつあるこれからの日本において、新しいイノベーションを興し、それを発展させていく役割が期待されています。実際、大学などの入学試験の制度も、世の中の期待を反映する形で変わってきています。その変化に対応し、学習方法を変えていくのは、骨が折れることでしょう。その意味でも、この季節、街中で、電車の中で、寸暇を惜しんで参考書を広げて勉強している若者を見かけると、彼らを応援したくなってしまいます。
暦の関係で、今回が本年最初となりましたが、本コラムでは、今年もセキュリティに関係するいろいろな話題を提供していきたいと思います。本年も、どうぞよろしくお願いします。
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