・今年も入試シーズンが到来
　早いもので1月も末、そろそろ中高、そして大学の本格的な入学試験シーズンに突入する頃です。それを物語るように、電車の中では、塾のリュックを背負い、親に付き添われた中学受験生とおぼしき小学生や、入試直前向けの参考書を拡げる中高生の姿をよく見かけるようになりました。今回は、「受験生のセキュリティ」について考えてみたいと思います。

　・受験生のセキュリティ
　このコラムで何回も触れましたが、筆者の考えるセキュリティとは「オペレーションが、あらかじめ定めたプラン通りに進み、理由によらず、それが妨げられないこと」です。セキュリティ対策によって、最終的に守らなければならないモノは「オペレーション」となります。
　さて、それではこのセキュリティの考え方を、これから入試に臨む受験生に当てはめるとどうなるでしょうか。受験生ですから、全員が、最終的には「志望校に合格する」という結果で終わりたいと思っていることでしょう。しかし、この「志望校合格」は(望ましい形の)終わり方であって、ここで言うところのオペレーションではありません。今回は、「受験生のセキュリティ」を考える場合のオペレーション、すなわち守る対象を「体調万全で試験会場につつがなくたどり着き、これまでに培った実力を100%発揮すること」と考えます。

　・受験生のオペレーションに対する脅威
　４月からの新入生を選抜する入試は、一年のうちで一番寒く、人が体調を崩しやすい今の時期に行われます。厚生労働省からインフルエンザやノロウイルスの流行のデータが公開されますが、毎年、これらの流行のピークは入試のシーズンと重なることが普通になっています。これらの感染症に、試験直前にかかってしまうと、受験どころではなくなってしまいます。この場合、体調不良を押して受験を強行しても、なかなか100%の実力を発揮するのは難しいでしょう。
　加えて、この時期は、しばしば雪による交通機関の乱れが生じます。そのため、雪が降ると、試験の開始時間に遅れる受験生が少なからず発生します。交通機関の乱れに対しては、試験開始時間を遅らせて対応してくれるケースも多いのですが、遅刻することで、心理的に動揺し、100%の実力を発揮できないこともあります。
　寒さや感染症などで健康を崩したり、雪で交通機関が乱れたりするインシデントが発生しやすいこの季節は、受験をする側にとっては、リスクの大きい最悪の時期と言っても過言ではありません。これまでした努力をこれらのインシデントによって台無しにされては、泣くに泣けません。それゆえ、受験をする側としては、自らの健康、そして天気や交通機関などに関する様々な事態を想定した、セキュリティ対策が重要になるのです。

　・様々な事態を想定しセキュリティ対策を
　当たり前のことかも知れませんが、試験日当日には、交通機関の乱れが生じた場合でも対応できるように、余裕を持って試験会場に着けるようにしておくことです。もしもの時のために、試験会場へのルートを複数パターン調べておくと安心です。また、交通機関の乱れの際などに連絡できるように、試験会場の連絡先もメモしておくのが良いでしょう。今では、スマートフォンなどで、交通機関の運行状況やルートを知ることも出来ますが、混んだ駅や電車の中などでは、ネット接続がスムーズにできないこともありますので、こればかりに頼るのはリスクが大きいといえます。
　入試は、ある意味、人生節目のイベントです。そのため、たとえばインフルエンザにかかっていても、それを押して受験に来る人がいることも想定しなければなりません。入試会場で、インフルエンザをもらってしまい、その後の日程の試験を受けられなくならないように、入試会場では、マスクや携帯型の消毒薬などで十分に自衛した方が良いでしょう。

　・Do Your Best!
　体調万全、余裕をもって自らが培った実力を存分に発揮して、ベストを尽くすことができた場合、受験生としての「オペレーション」はうまくいったといえるでしょう。このような受験生は、会場からの帰り道、清々しい顔つきをしています。これから受験会場に向かう、全ての受験生の皆さんが、「体調万全で試験会場につつがなくたどり着き、自らがこれまでに培った実力を100%発揮する」オペレーションが無事遂行出来ますように。そして、皆さんのご健闘をお祈り申し上げます。

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