ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 新しいスタートを夢見る月 住居を移す際の注意
・それは古代ローマから始まった
今年も早いものでもう3月。古代ローマで使われていたカレンダーでは、農耕が始まる3月を年の始まりとしていたそうです。ちなみに、ローマ神話の軍神として知られる「Mars」は、「農耕の神」でもあり、それが3月、「March」の語源となっているとのことです。
3月に始まる古代ローマのカレンダーのなごりは今も残っています。9〜12月の英語の月名が「Sept」、「Octo」、「Novem」、「Decem」と、それぞれ7〜10番目を表すコトバで始まっており、実際の月の順番と2つずれているのも3月が年の始まりだったからです。また、2月の日数が少ないのも、1年の最後の月であった2月の日数で、地球が太陽の周りを公転する周期に合わせるための端数の調整が行われていたからです。
古代ローマで、農耕が始まり1年の始まりとされていた3月ですが、現代の日本では、卒業式や職場の異動にともなう壮行会などが行われる時期であり、新しいスタートを切るための準備の月と言えそうです。日本語には「夢見月」という3月を表す美しい表現がありますが、日本人にとって、3月はまさに飛躍への「夢を見る月」とも言えるでしょう。
・新居探し、引越のシーズン
3月は、新年度から新しい世界に飛び込む多くの人々が生活の場所を移す時期であり、新居探し、引越のハイシーズンとなります。
新居を決める際には契約をする前に、前の住人が退去した後にドアのカギが交換されているかどうかを必ず確認し、もし交換されていない場合は、交換するお願いをしてください。また、引越というイベントは、個人の生活のうえで、泥棒に対して最もスキのあるタイミングとなりますので、意識して十分に注意することも重要です。
・近隣との誼(よしみ)を深めるためのコトバ
新居に越した際には、近隣の方と良い人間関係を作ることが、防犯のためには有効に働きます。江戸時代に始まったとされる、引越の際に近隣にそばを配ってあいさつする「引越そば」の風習は、それが「『そば』に引っ越して来ましたので、『細く長く』よろしくお願いします」という意を表すところから生まれたとのことです。
「引越そば」の風習は、もともとは、近隣の人々との誼(よしみ)を構築する意志を表す「世間における贈与・互酬の慣行」の一環として生まれたものです。近隣との良い関係が、防犯や防災の際の「共助」に大きく関わってくるのは、先日のコラムに書いた通りです。
この風習は今では廃れてきた感もありますが、永い間受け継がれてきた世間の慣行は、意味があるがゆえ続いてきたという側面があります。江戸時代と異なり、今では乾麺やカップ麺などの保存が効く便利なものも多くあります。引越の際には「そばに来ましたので細く長くよろしく」というあいさつを兼ねて「引越そば」を配っても良いかもしれません。
3月の俳句には、植物の「芽ばえ」や「息吹」を感じさせる多くの言葉が季語として詠み込まれています。3月は、多くの日本人にとって、まさに新しい始まりを予感させる月、新しい始まりに向けて準備する月なのです。身のまわりの「安全・安心」についても、十分に注意し、良いスタートの準備となるようにしていただければと思います。
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