ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 屋外にある意外なモノが狙われている
・最近、泥棒に狙われているモノ
過去、屋外にある鉄製の側溝のフタやガードレールなどの窃盗について触れ、鉄スクラップの相場の高騰がそれに関係することについて紹介したことがあります。
最近のニュースで、このスクラップ相場に関係すると思われる窃盗事件が報道されていました。山中など、人の目が届かないところにある太陽光発電所からの送電線泥棒です。
・人目に付きにくく転売できるモノは狙われる
本コラムでは、2年ほど前に「太陽光発電やご家庭用燃料電池などの小規模発電装置が狙われる」と題して、屋根に置かれた太陽光発電パネルや、家の脇に設置された家庭用燃料電池などが、泥棒のターゲットになるリスクについて紹介したことがあります。
幸いなことに、今のところ、太陽光パネルや燃料電池が、大きな盗難のターゲットになったというニュースは聞いていません。これらは、まだ十分な転売市場ができていないこともあって、現時点においては盗んでも換金が難しいからです。一方、銅は、金属リサイクルのための市場が形成されており、そこでは確実に売れるモノなのです。特に、大きな電力を送るための太い電線に使われている銅は、銅としての質も良く、重量もあるため高く売ることが可能です。
そのため、山中などの人の目につかないところに作られた大規模太陽光発電所の、電力送電用電線が泥棒のターゲットになっているものと考えられます。同じ山中にある発電所でも、水力発電では常に発電されているため、そこから送電線を盗むのは感電のリスクがあります。 一方、太陽光発電所は、光のない夜間に発電しないことが誰の目にも明らかなため、暗闇の中、人の目を忍んで犯行に及べば、感電のリスクも少なく、容易に、そして大量の電線を盗むことができます。
・私たちの身近にあるモノまで
銅のスクラップ相場は、2008年のリーマンショックの頃には1トン当たり30万円程度だったものが、現在80万円前後で推移しています。この強含み相場が、銅を泥棒のターゲットにしているのは間違いありません。
狙われているのは、銅を単独で使った電線に限りません。銅の相場高騰は、どこでも見かける、私たちの身のまわりの品も、狙われるターゲットにしています。
最近、個人宅に設置したエアコンの室外機が盗まれる盗難事件が頻発しています。エアコン室外機の主要部品である熱交換器には、熱の伝わりやすさから大量の銅が使われています。そのため、エアコン室外機にもスクラップとして高値が付けられるようになりました。これがエアコン室外機の泥棒が増えた理由であると考えられます。
・家の周り、屋外に置いたモノにも注意を
時節柄、家の周りに電線を張り巡らし、イルミネーションを楽しんでおられる方もおられるのではないかと思います。イルミネーションの電線も、まとまるとそれなりの量になるため、注意することに越したことはありません。また、家庭用の太陽光発電の電線も、大電力を送電するものであるため、使われている銅の量が多く注意が必要です。
私たちは、屋外に置いたモノが泥棒のターゲットになることになることについて、あまり気にしないで日々を送っています。しかし、「金になるモノ」は、何でも泥棒のターゲットになるのです。イルミネーションを設置する際などを利用し、もう一度家の周りを点検していただければと思います。
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