ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > その行為、大丈夫? 「加害者」になるリスク
・一億総カメラマンの時代
災害や事故、事件などが発生した際、それが起こった近辺にいる人たちが持っているスマートフォン(スマホ)のカメラで捉えられた映像。これがニュースに流れることは珍しくなくなってきています。実際、スマホの普及に伴って、多くの人たちが、画像を撮影し公開まですることができるカメラを常に持って生活している、といっても言い過ぎではない状態になっています。
・その情報は増殖し、消せない
多くの人がネットにつながったカメラを持ち、自分の撮った写真や動画を、いつでもネットで公開できる状況は、便利な反面、新しいリスクを生み出しています。実際、ネットに公開された映像が、社会に大きなインパクトを与えた例は少なくありません。
一度ネットで一度公開された情報は、世界中から見ることができるだけでなく、ネットを介してコピーされ、公開した人間にもそれを消すことはほぼ不可能になります。不用意に行った発言や、公開した画像が、世間に拡がって取り返しがつかなくなることもあり得るということです。
・チェーンメールに荷担するリスク
また、ネットのメールによるチェーンメールなども、手を変え品を変え、次から次へと登場しています。昔は実際の郵便を使って行われていたものが、ネットを介した電子メールを使うことが一般的になっています。ネットを介したチェーンメールは、簡単に転送できることから、あっという間に拡がるだけでなく、サーバーに障害を引き起こしたり、金融機関の取り付け騒ぎのきっかけになったりと、その社会的影響も無視できません。
・軽い気持ちが大問題に
悪気なく、軽い気持ちで行った「ちょっとした行為」が、社会に影響を及ぼす大きな事件や事故に発展し、被害者のみならず、軽い気持ちでことを起こした「加害者」の生活にも大きな影響を与える例は、決して少なくありません。
学校の「総合の時間」などでなされる安全教育は、子ども達が被害者になるリスクを想定し、いかにして被害者にならないようにするか教えたり、考えさせたりする内容がほとんどです。しかし、今やちょっとしたいたずら心や、無知から行った行為が、あっという間に拡がって、「加害者」にもなりかねず、社会に大きな影響を及ぼすのです。
このような例は、決してネットに関するモノだけに限りません。町を歩いていると、まだまだイヤホンを使いながら自転車に乗っている中高生が目に付きます。イヤホンだけでなく、スマートフォンを操作しながら自転車に乗っている中高生を見ることも、珍しくはありません。これらの行為は、その危険性から、多くの自治体が条例などで禁止しています。また、ペナルティを課されるだけでなく、万が一、加害者になってしまった場合、注意義務を怠ったことになり、多額の賠償を請求されることにもなりかねません。
・加害者になってしまうリスクへの注意が必要な時代に
本コラムで過去何回も触れましたが、広い意味での「個人のセキュリティ」とは「起こるかもしれないさまざまな(悪い)出来事にできるだけ影響されず、平穏な日々の生活が続くこと」です。
この「平穏な日々の生活」は、期せずして自らが「悪い出来事」を起こしてしまった場合にも大きな影響を受けてしまいます。これからの安全教育では、被害者になるリスクのみならず、図らずして「加害者」になってしまうリスクもきちんと伝え、その怖さを十分に伝える必要があるのでは無いかと思います。
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