ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 古いパソコン基本ソフトを使い続けるリスク ぜひ更新の検討を
・2カ月後に来る「Xデー」
今から約2カ月後、日本時間の4月9日に、12年前に発売され世界で一番多く使われていたパソコンの「基本ソフト(OS: Operating System)」がサポート期限を迎えます。これは、この日以降、このOSにセキュリティ上の欠陥(セキュリティホール)が見つかったとしても、それに対策を施す「修正ソフト(パッチ)」が配布されなくなるということです。今回は、個人がこのOSを使い続けた場合の、日々の生活に及ぼすリスクについて考えてみます。
・弱点を修正するソフト
基本ソフトをはじめとして、世の中で使われているソフトウェアでは、さまざまな人や組織が関わってセキュリティホールを探す努力がなされています。それを見つけて対策を行うためです。ソフトウェアメーカーは、見つかったセキュリティホールの情報を元に対策を行い、パッチの形でそれをネット上に公開します。
現在使われているパソコンはインターネットにつながっているのが当たり前になっています。パソコンの中で動いているソフトウェアは、ネットを介してパッチがあるかどうかを定期的に確認し、もしそれが公開されていた場合、自動的にダウンロードして自らを修正する動作を行うのが一般的になっています。
・悪意のソフトウェアとそのリスク
悪意を持った人間の多くは、これまでに見つかったセキュリティホールの情報を元に、それを突く「悪意のソフトウェア(マルウェア)」を開発しています。OSなどのサポートサービス(パッチ配布)が終了するということは、セキュリティホールが見つかっても対策がなされず、無防備でマルウェアの攻撃にさらされてしまうということです。そうすると、パソコン内に蓄えられている情報や、キーボードを操作している情報などを盗み取られるリスクが高まり、最悪の場合、そのパソコンを外部からコントロールされてしまうこともあり得るということになります。
現在、ネットにつながったパソコンで、クレジットカードの情報を入力したり、ネットバンキングを行ったりすることが当たり前に行われています。そのため、キーボードを操作している情報を取られたり、パソコンのコントロール権を乗っ取られたりすることは、金銭的な被害につながるリスクが大きいのです。今や、情報は金銭と同じものと考えて、対策すべき対象になっています。これはサポート期限の切れたOSを使ったパソコンでは、ネットバンキングなどをしてはいけないということになります。また、金銭的な被害のみならず、パソコンを外部からコントロールされてしまうことで、第三者を攻撃するための踏み台にされ、サイバー犯罪のあらぬ疑いをかけられないとも限りません。
・パソコン自体の老朽化も心配
2カ月後にサポートが終了するOSは12年前に発売されたものです。そのため、このOSで動いているパソコンは、それ自体の調子もそろそろ心配になってくる頃かと思います。古いものを使い続けるということは、老朽化による故障リスクが大きくなるということです。パソコンが突然壊れると、中に蓄えられた重要なデータなども失われてしまいます。
・つつがない日々の生活を守るためにパソコン環境更新の検討を
産業界では、2カ月後のXデー向けて、古いOSで動いているパソコンをどうするかで大騒ぎしています。情報技術の分野では、日進月歩ではなく「秒進分歩」で技術が進んでいくといわれます。今のパソコンやソフトウェアに使われている技術は、良い意味においても、そして残念ながら悪い意味においても、当時と比べて飛躍的に進んでいます。
ご家庭において、まだこのOSで動いているパソコンをお使いの方は、「情報を秘密に(機密性: Confidentiality)」、「情報を改ざんされないように(完全性: Integrity)」、「情報を使えるように(可用性: Availability)」といった情報セキュリティの3要素を維持し、つつがない日々の生活を守るためにも、新しいモノへの置き換えを是非検討してみてください。
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