ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「敬老の日」に考える、高齢社会のライフスパンとホームセキュリティ
・「敬老の日」が9月にあるワケ
暑かった夏の盛りも過ぎ、9月に入りました。旧暦の9月は、菊の花が咲く頃にあたり、それゆえ「菊の節句」である「重陽(ちょうよう)の節句」は9月に設定されています。古(いにしえ)から重陽の節句には、菊の花を浮かべたお酒「菊酒」を飲んで長寿を祈念する習慣があったそうです。このことから、重陽の節句には、今でいう「敬老の日」の意もあり、今のカレンダーでも9月に「敬老の日」があることの遠因にもなっているとのことです。
・寿命の延びと幸福感
「人々の命を守り、それを存(ながら)える」ための学問分野、医学、そしてその実務である医療は、さまざまな科学の知見を要素技術として取りこみながら進化を続けています。今では多くの人々が、その恩恵にあずかれるようになり、その結果、歴史的に見て人間の平均寿命は画期的に長くなりました。現在(2017年)の日本人の平均寿命は「男81歳、女87歳」であり、戦後間もない時期(1947年)の「男50歳、女54歳」から、男女ともに実に30年以上延びています。
この「人生の長さ」の延びが、人々の幸せに貢献しているのは間違いありません。一方で、長生きが当たり前になった昨今、単に「生きている時間を延ばす」だけでは、必ずしも「人々が感じる幸福感を高める」ことを十分に実現しているとは言いきれなくなりつつあります。
・より良い「人生の最終章」を追求する学問分野
これまで、一般的な感覚から、「老い」、そしてその先にある「お迎え」は、「良くないもの」と考えられていました。これらは、長い間避けるべきものと考えられており、その過程をより良いものにするための研究は、近年にいたるまで、ほとんどされてきませんでした。
一方、「齢を重ねること」、そして「その先」は、万人が経験する避けえない宿命として存在します。この問題意識から、最近、注目が集まっている学術分野に「老年学(Gerontology)」があります。医学に留まらず、心理学、社会学、家政学、工学などの視点から、「齢を重ねること」について横断的に考え、より良い「人生の最終章」を追求しようとする学問分野です。
長い歴史のある医学・医療分野の研究と比べて、「老い」や「お迎え」などの分野の研究は始まったばかりです。しかしながら、最近の老年学の研究によって、今まで「良くないもの」と考えられていた「老い」や「お迎え」が、必ずしもそうとは言いきれないものでもあることが分かってきています。
・ライフスパンにおけるホームセキュリティ
高齢社会となった現代の日本。、「いかに心地良く、(「価値」ある形で)齢を重ね、さらにその先を迎えるか」を考え、これらのプロセスにおける「人々の幸福度合いを最大化する」セキュリティとは何かを、考える必要が生じ始めています。
ホームセキュリティは「生活するうえでの安心感」、すなわち「心地良さ」を提供するサービスであり、それを実現するために、ご家庭の「万が一の際、それによる影響をできるだけ小さくする」ことを実際の業務として提供しています。
この「生活するうえでの安心感」は、「ある一日、ある一年」といった短い時間に限られるものではありません。本当の意味での「生活するうえでの安心感」を提供するためには、人の一生といった長いライフスパンでの安心感(心地良さ)を考える必要も生じてきているのです。
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