ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「情報と化したお金」に注意
・政府の「情報セキュリティ基本計画」が発端
今日2月2日は「情報セキュリティの日」にあたります。情報セキュリティに関する政府の中長期的な戦略「第1次情報セキュリティ基本計画」が定められたのが、今から9年前の2006年2月2日。これをきっかけとして、毎年、この日が「情報セキュリティの日」とされ、情報セキュリティのための啓発イベントなどが開かれるようになりました。
日本が情報セキュリティ先進国になることを目指した、この基本計画は「セキュア・ジャパンの実現に向けて」という副題を持ち、目標の一つとして「ITの利用・活用によるより良い国民生活の実現」が掲げられました。
・私たち国民の情報セキュリティ上の課題とは?
この基本計画では、情報セキュリティに関する課題が、国家や産業分野のみならず、個人、すなわち私たち一人ひとりにも存在するとしています。個人の課題としては、「情報セキュリティに関するリテラシーの低さ」、すなわち情報系のリスクに対する「危険性の認識」の低さが指摘されており、対策として、初等中等教育から始まって世代横断的に行う生涯教育の段階までもの「情報セキュリティ教育」の必要性が叫ばれています。
この「第1次情報セキュリティ基本計画」が定められた9年前、個人が行う情報セキュリティ対策は、まだまだコンピューターウイルスなどの悪意のソフトウェア(マルウェア)から自分のデータやパソコンなどを守ることを主眼として行われていました。その当時のマルウェアは、パソコン内のデータを壊すなどの愉快犯的な動きをするものが多く、個人の持つ財産を直接狙ってくる「直接的な泥棒マルウェア」はあまり見ない状況でした。まだ「個人の財物」と「個人の扱う情報」が本格的には結びついていなかったからです。
しかし、そこから時代が進んだ現在、インターネットを介して金融機関の口座にアクセスし、「情報と化したお金」のやり取りを行うネットバンキングがごく普通に行われるようになっています。特に、スマートフォンが登場した2008年以降、この流れはさらに加速されたように感じます。「個人の財物」と「個人の扱う情報」が本格的に結びついてきたということです。
・「お金のあるところ泥棒あり」はネットでも同じ
お金のあるところに泥棒あり。これには例外がありません。今や「情報と化したお金」を狙う「直接的な泥棒マルウェア」が現れ、これによって金融機関に預けたはずのお金を盗られる不正送金の被害が多発しています。
一方、情報セキュリティ基本計画でも指摘されたように、多くの人の情報セキュリティに関する意識は、第1次情報セキュリティ基本計画が打ち出された時と、そんなに大きくは変わっていないように感じられます。金融機関に預けたお金を盗られることを心配しなくても良かったのは昔のことです。今では、お金が情報と化しているがゆえに、金融機関に預けたお金であっても、情報的に盗られるリスクがある時代なのです。
少し前までは、情報セキュリティ対策は、特に企業や個人事業主など、それを使って日々の業務を行っている人が特に気にして行うものであり、個人がお金などの自分の財産を心配して行うものではありませんでした。この状況が今では相当変わってきているということです。情報とお金が密に結びついた時代に生きる私たちは、日々の暮らしで戸締まりに気をつけるのと同等のレベルで、自分の情報セキュリティに気をつけなければなりません。
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