ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 今年もサイバー犯罪の多い一年でした
今年の「データから読む」も、今回が最後となりました。今年も、データをもとに、安全・安心に関することを、いろいろとお伝えしてきました。これらを見直して、今年の犯罪の傾向について、ごく一部ですがまとめてみたいと思います。
まず、犯罪全体としては、相変わらず減少傾向が続いています。犯罪の多くを占める窃盗犯の減少が大きく効いています。皆さんのご家庭を狙う、住宅侵入盗も窃盗犯に含まれていますが、今年は平均で、一か月あたり4000件程度の件数となっています。10年前の2004年の平均件数が、月1万4000件でしたので、大幅な減少といえます。それに対して、振り込め詐欺などの特殊詐欺や、インターネットを利用したサイバー犯罪などの被害が増加傾向となっています。
振り込まない振り込め詐欺
主に高齢者の被害が多い振り込め詐欺は、今年も被害が拡大しました。振り込め詐欺などを含む特殊詐欺の被害総額は、2013年は489億円でしたが、今年はこの11月までに499億円となっており、年末までに550億円を突破しそうな勢いです。
また、一件あたりの被害額も増加しており、今年11月までの統計で、振り込め詐欺については360万円、振り込め詐欺以外の特殊詐欺については899万円となっています。特に、振り込め詐欺以外の特殊詐欺の被害額増加が気になります。
最近では、振り込め詐欺というものの、現金を自宅まで犯人が取りに来たり、指定した場所で受渡しをしたり、レターパックや宅配便で送付させたりといった、振り込み以外の方法の方が増えているようです。名称が現状を表していないということで、県警によっては「かあさん助けて詐欺」「ニセ電話詐欺」など、包括的な名称を使用しているところも出てきています。
ネットバンキングの不正送金増加
インターネットを介したサイバー犯罪も増加しました。インターネットバンキングを利用した不正送金は、2014年上半期には18億5200万円と、過去最高となっています。銀行のホームページを乗っ取って、IDやパスワードなどの個人情報を入力させる手口が主流でしたが、最近は個人のパソコンにウイルスを送り込んで、個人情報を入手する手口も横行しています。
また、被害額としては個人口座が多い状況ですが、2013年下半期と2014年上半期を比べると、法人口座の増え方が大きくなっています。会社を経営されている方は注意が必要です。使用するパソコンのセキュリティ対策をしっかり行ってください。いまだにWindows XPを使用されている方もいらっしゃるかと思いますが、金融機関にアクセスする場合に使うパソコンについては、新しいOSで最新のセキュリティ対策を施したものを使用していただきたいと思います。
SNS版の振り込め詐欺!?
他にも、SNSのアカウントを乗っ取り、電子マネーが騙し取られる被害も多くみられました。友人・知人を装って、「ちょっと手が離せないから、コンビニでWebMoneyを5万円分買ってきてくれませんか。カードに書いてあるコード番号を写真に撮って送ってください。」という具合です。いわば「おれだけど、WebMoney買ってきて!」という、サイバー犯罪と振り込め詐欺がドッキングしたような手口です。
最初に示しましたが、住宅侵入盗などの窃盗犯罪は減少していますが、ネットを介した被害は増加したことになります。自宅の施錠をしっかりしていても、電話を通じて犯罪者が侵入してきたり、セキュリティ対策の甘いパソコンや、パスワードを使いまわしたスマートフォンから犯罪者が侵入してきたりするようになっています。年末になると、戸締り用心とよく言われますが、ネットなどの戸締りも考え直していただきたいと思います。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
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