ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 突然の荒天、あなたはどう対応する?
リスクをリスクとして認知することの重要性
今年も7月に入り、もう間もなく梅雨が明け、夏本番がやってきます。例年、夏本番直前の梅雨末期には、大雨による水害が多く発生しています。
・突然の「ひょう」
先日、筆者の職場の近くでは、大雨が「ひょう(雹)」に変わり、それによる水害が発生しました。ある特定の地域に限定的に起こった気象現象であったにも関わらず、近年まれに見る荒天であったこともあり、全国ニュースでも取り上げられました。
空は、さながらアイスサーバーのよう、ビー玉大の氷の塊が次から次へと降り、多くの木の葉がたたき落とされました。それが、排水溝の入口という入口に詰まり、ひょうと共に降った雨があふれて一時は道が川のようになっていました。その時は、ちょうど、学校の下校時間でもあり、まるで池のように水が溜まった駅前ロータリーを歩く中高生も多くいたようです。
・想定以上に実は危ない状況
このような水浸しの路面は、大きな危険と隣り合わせの状態であることに注意する必要があります。排水溝のフタが外れたり、路肩が水流で崩れたりする可能性があるだけでなく、その状態が水で覆われて全く見えないからです。また、流れる水には思いの外強い力があることも忘れてはいけません。足を取られて自分が流されるだけでなく、何が流されてくるかも分かりません。
ゲリラ豪雨や降ひょうなどの、突然の荒天に遭遇した場合、一般にはそれが長く続くことは多くありません。そのため、文字通り「嵐が過ぎ去る」のを待ったほうが良い場合が少なくありません。近くの建物など雨宿りが可能なところで少し待たせてもらい、空の状況が落ち着くのを待つのが得策ということが多いということです。
・リアルタイムで情報を得て、つど適切な判断を
最近は、スマートフォンなどの普及によって、外出中でも自分の近所の天候や雨雲の状態がどうなっているかを知ることができ、これからどうなりそうかを、ある程度予想できるようになりました。そのため、雨宿りをしていても、空の状況を見ながら、いつ晴れるかいつ晴れるかと、心配・イライラすることは少なくなりました。
今は、いつでもどこでも、そして誰でもがネットにつながることのできる「ユビキタス」な情報化社会が現実のものになっています。私たちは、公に公開されているリアルタイムの天候状況を知るだけでなく、実際にその場所に居合わせている人々からも、「今何が起こっているか」の情報を得ることができるのです。いざ普段は出合わない状況に遭遇した場合、これを使わない手はありません。
・リスクをリスクとしてきちんと認識することが重要
今回の降ひょうが、命に関わる可能性のあるリスクの大きな状態であったことを、明確に意識したり、注意喚起したりした人は多くはいなかったようです。また、今回の降ひょうでは、経済的な損害は発生したものの、幸い命を落とした方はいませんでした。そのためニュースの扱いは、一地域の異常気象の紹介にとどまり、大きなものにはなりませんでした。
しかし、あの状態は「一歩間違えば」という状態であったのです。多くの人々にとって、今回の降ひょうは、ある特定の場所に限定的に起こった気象現象に過ぎなかったのかもしれません。しかし、自然の豊かな国である日本に住む私たちは、その裏返しとして、常に自然を大元とする災害のリスクと隣り合わせであるということを、常に意識する必要があるのです。
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