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年末年始に多い「群集」というリスク

・この年末年始、人が多く集まるところに行きますか?
 今年もいよいよ押し詰まり、これが本年お届けする最後のコラムとなります。既に、お休みに入りお正月の準備をはじめている方も多いかと思います。街は、年越し準備の買い物などで賑わっていることでしょう。年始には、初詣のお参りする方も多くいらっしゃるものと思います。本年最後の今回のコラムでは、買い物や初詣などで、人が多く集まるところに行く際に気をつけていただきたいことについて考えてみます。

 年越し準備の買い物風景は、この季節の風物詩としてテレビニュースなどでも良く流れます。この時期、東京上野にある通称「アメ横」と呼ばれる商店街では、お正月のための買出しで、1日約50万人前後が訪れるそうです。また、年が明けると、全国各地にある神社仏閣はお参りの人でごった返すことでしょう。毎年、年始の時季に300万人を超える人々がお参りをする神社もあります。

・群集の特性とは?
 通常、意識することはあまり多くありませんが、このような多くの人々が一つのところに集まっている状況というのは、実は相当大きなリスクをはらんだ状態なのです。多くの人々が一つところに集まっている状況は「群集」(もしくは「雑踏」)と呼ばれ、一般に以下の3つの性質があると言われています。

 (1)「付和雷同」性
 不特定多数の人々の集まりには組織性がなく、責任をもってそれを管理統率する立場の人間も居ないのが普通です。そのため、何かが起こった場合、理由もなく周りの人々に同調する「付和雷同」が起こりがちとされています。
 (2)「自己本位」性
 群集を構成する一人ひとりに「われ先に」という感情がめばえ、周りのことを考えない自己本位の行動が起こりがちと言われます。個数限定の特売などで、多くの人が商品めがけてダッシュする光景は、群集の持つこの性質によるものです。
 (3)「興奮」性
 多くの人々が集まっているという特殊な状況は、一人ひとりに特殊な心理状態をもたらします。結果として、群集全体が興奮状態に入って、通常ならば考えられない行動に出ることがあると言われます。

・群集による惨事
 人々が一つの場所に非常に多く集まった状況というのは、このような特殊な状態であり、それが原因で、中で起こったささいな出来事が多くの人の予想できない行動を生み、事故(「群集事故」と呼ばれます)につながることがあります。

 初詣による群集が大事故につながった事例としては、1956年1月1日、新潟県で起こった「彌彦(やひこ)神社事件」があります。年が明けてすぐ、拝殿前で開始された「餅まき」に人々が殺到。それが端となって発生した人々の将棋倒しに、境内の玉垣の崩落も重なって、124人もの方々が命を落とす大惨事になりました。

・情報が群集に働きかける
 このような「群集」に働きかけ、事故を起こさないようにするさまざまな対策は「雑踏警備」と呼ばれ、今では、多くの人々が繰り出すイベントにおいては必ず行われるようになっています。雑踏警備における重要な要件の一つに、群集の一人ひとりに正しい情報を与え、また冷静になるように働きかけて、全体をうまくコントロールする「広報」活動があげられます。

 先にあげた群集の特性3つは、群集の中に居る一人ひとりの人間が、一種の催眠状態になることから起こるものと考えられます。その催眠状態は、正しい情報を適確に示すことによって解くことができます。前に紹介した「DJポリス」は、群集の一人ひとりの感情に働きかけ、催眠状態から脱してもらうために情報を適確な形で出している良い例だと思います。

・群集に身を置いたとき
 年越しの買い出しや初詣など、「群集」の中に身を置く機会が多いのが年末年始です。群集の中に身を置いたとき、自分がいるその集団には、先にあげた3つの習性があることを、少しずつ意識するようにしていただければと思います。この知識を知っているのと知らないのとでは、いざという時の行動に大きな差が出てきてしまいます。

 繰り返しとなりますが、多くの人々が集った状態というのは、相当大きなリスクをはらんだ状態であるということを、改めて意識するようにしてください。非常に多くの人々である「群集」の中にいるとき、最終的に、自身をそしてご家族を守るのは、皆さんご自身にしかできないことなのです。

 今年のコラムはこれでおしまいです。皆さん、よいお年をお迎えください。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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