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2008年にスタートしたこのコラムも、この11月で丸5年となりました。さらに、この「データから読む」は今回で通算250本目となりました。ここまで続けてこられたのは、みなさまが読んでくださったおかげと思っております。今後も、さまざまなデータを引用して、さまざまなリスクに関する情報をお届けしていきたいと思っております。
さて、5年前といえば、冷凍ぎょうざにメタミドホスが混入されたり、東京・秋葉原の歩行者天国で凶器殺人事件が起きたり、サブプライム問題でアメリカのリーマン・ブラザーズが経営破たんしたりと、さまざまな出来事がありました。この5年で、世の中はどのように変わったのでしょうか。犯罪や治安の側面から見てみたいと思います。
5年で認知件数は減少、検挙率は変化なし
このコラムがスタートした時に、1987年から2007年の刑法犯の認知件数と検挙率の推移を示しました。認知件数は2002年の285万件をピークに減少が継続し、検挙率は同じころを最低値として回復が続いていました。その後、認知件数の減少は続いていますが、検挙率はどうでしょうか。昨年2012年の検挙率は31.7%でしたが、実は5年前の2007年のデータでも31.7%だったのです。小数点以下の数字は多少上下しましたが、この5年間ほとんど変わっていないのです。
犯罪件数が減っても不安感は減らず
2012年の刑法犯認知件数は138万件です。2007年の191万件と比べると、この5年で50万件以上減少したことになります。検挙率は変わらなくても、件数が減少していれば、理屈上では治安は良くなっていると考えられます。しかし、みなさんの感じる治安状況はそうなっていないのが現状ではないでしょうか。
特に、いま社会を騒がせている振り込め詐欺などは、いつ犯人からの電話がかかってきてもおかしくない状況にあり、不安の種と言えます。振り込め詐欺以外の特殊詐欺と呼ばれる、新たな手口も出てきています。しかも、右の図のように、こちらの被害金額の方が振り込め詐欺よりも高額になってきています。
データを見て不安のリスクを減らそう
みなさんの防犯意識の高まりや防犯活動によって、これまで犯罪の減少が続いてきました。しかしながら、一部の犯罪で増加もしくは横ばいというものも出てくるようになっています。また、詐欺に代表されるように、新しい手口が次々に“開発”されていることもあり、体で感じる不安感はなくなることがありません。この不安を減らすためには、いかに早くそれらに対応するか、また万が一の場合に被害が大きくならないようにするかがキーとなります。さらに、これらの方法を知っておくことがとても重要なのです。みなさまのリスクをマネジメントするべく、データで現状をお知らせし、それに関する情報を発信していきたいと思っております。
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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
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