ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 見守りと監視の違いとは
駅や商店街など、人が集まるところでは、その気になって周りを見回すと多くのカメラに見つめられていることに気づきます。今や、人が集まるところには、カメラが設置されるのが当たり前になっています。これまで、街頭に設置されるカメラは「監視カメラ」とも呼ばれ、その導入に難色を示す向きも少なくありませんでした。
監視カメラから防犯カメラへ
最近は、多くの事件が、街に設置されたカメラの画像がきっかけになって解決されるようになっており、人々のカメラに対する感じ方もずいぶん変わってきたように思います。名前も、監視カメラではなく「防犯カメラ」と呼ばれることが多くなり、「街行く人を『見守り』、犯罪を防いで安全を維持するためのカメラ」と認識されるようになりました。
立ち位置によって同じ行為の呼び方が異なる
さて、それでは「監視」と「見守り」、この両者はどう違うのでしょうか。手持ちの辞書を引くと、監視は「(悪事が起こらないように)見張ること」、見守りは「事が起こらないように注意して見ること」のように、似たような説明が出ています。
筆者は、この両者の違いは、見る側の立ち位置にあるのではないかと考えています。すなわち、同じ「見る行為」でも、見る側の立ち位置が、見られる人々の味方の立場にある場合は「見守り」であり、反対の立場の場合は「監視」となるのではないかと言うことです。
例として、遊び場で遊ぶ子どもたちを見る行為を考えてみましょう。子どもたちが安全に遊んでいるか、子どもたちの身に変なことが起きていないかを見て確認するという場合は、子どもたち側に立って見ているということで「見守り」であり、逆に、子どもたちがいたずらや悪さをするのではないかを確認するという場合は、子どもたちとは反対側の立場にいるという意味で「監視」となるのではと思っています。
カメラの呼び方が変わってきた理由
先般、セコムでは「小型飛行監視ロボット」の試作機を開発した旨のニュースをプレスリリースしましたが、自らの行動を空撮され、監視される側の泥棒の目には、これは大変嫌なモノが開発されたと映ることでしょう。一方、セコムのお客さまは、自らを見守ってくれる大いなる味方ができたと見るのではないかと思います。
ホームセキュリティなどで使われるセキュリティセンサーは、そこで暮らす人々の日々を「見守り」、人々に安心感を提供します。セキュリティセンサーが、味方についているからです。しかし、まったく同じセキュリティセンサーが、泥棒などの悪意の人間には、行動を「監視」するものとなり、そのため、好ましくないものと映ります。
街に設置されるカメラが、監視カメラから防犯カメラと呼ばれるようになったことは、人々の立ち位置が、カメラを自らの反対側の存在と認識する所から、自らを守ってくれる存在であると認識する所へと変わったことが大きいのです。これは、社会が安心をより求めるようになり、セキュリティのための機器やサービスに対する人々の意識が変わってきたことを表しているのではないかと思います。
安心は、人々がさまざまな活動をするための基盤となる「心の状態」です。社会が安心を求める度合いは、以前とくらべより大きくなってきています。街に設置されるカメラの呼称が変わってきたことがそれを物語っているのではないかと思います。
(参考)
・安心豆知識「『見えること』と防犯理論」
・安心豆知識「周囲の目とホームセキュリティ」
・セコムニュース「世界初、民間防犯用の自律型の小型飛行監視ロボットを開発」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
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