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「見えること」と防犯理論

よく落書きされる場所は?
 皆さんは落書きされる場所と聞いてどこを想像されるでしょうか?筆者は、街にある公衆トイレの個室を思い起こします。公衆トイレの個室は、落書きのみならず、さまざまなチラシが置かれたり、ビラが貼られたりなどの不法行為が多い場所であるのではないかと思います。

日常活動理論という防犯理論
 過去に子どもの防犯に関するコラムで触れたことがありますが、「日常活動理論」と呼ばれる犯罪学の考え方では、次の4条件が重なったときに犯罪が成立すると言われています。

・不法行為を行おうとする人間(潜在的な犯罪者)
・不法行為のターゲットとなる人や物
・潜在的な犯罪者とターゲットが同時に存在する場所
・潜在的な犯罪者とターゲットが同時に存在する場所を監視する人間の不在

見られる環境を作る
「不法行為を行おうとする」人間をコントロールすることは、私たちにはなかなかできません。また、不法行為のターゲットとなる人や物に関与することにも、何らかの制約があることが少なくありません。
 そのため、日常活動理論を活用して防犯を実現するためには、常駐警備員や民間ボランティアなどを配置したり、カメラを設置したりすることによって、最後の「監視者」項目をコントロールするのが一般的です。すなわち、なんらかの方法で周りから見られる環境を作ることで不法行為を防ぐわけです。

丸見えの公衆トイレ?
 しかしながら、公衆トイレの個室の場合、その性格上周りから見られるようにするのは困難です。そのため、公衆トイレの個室は、この4つの条件がすべて成り立ち、「落書き」などの不法行為が行われやすいのです。
 日本にくらべて犯罪が多い米国などの公衆トイレでは、個室の仕切りの下部が抜けていて、人の膝から下あたりが見えるようになっているものも少なくありません。これは、用を足している人間のプライバシーを確保した上で、周りから見られる防犯環境を実現するための苦肉の策であると言っても良いでしょう。

「周りから見えるか」を常に意識
 周りの目が働きにくいところで行われる不法行為は「落書き」に留まりません。日本で一番多い泥棒は、ひったくりや置き引き、車上荒らしなど、一般に路上犯罪と呼ばれるものです。この路上犯罪に遭わないようにするためには、道を歩く時にも「周りの目」がどれだけあるかについて常に意識し、注意することが重要です。

 インターネットの匿名掲示板を「便所の落書き」と表現する人がいますが、これは周りからの目が存在しないという意味で、まさに的を射た表現だと思います。「周りの目」が働きづらく、誰がそれを行ったか分からない環境は、さまざまな不法行為が行われやすい環境です。今いる環境が「周りから見えるか」を常に意識する。それだけで犯罪被害に遭うリスクを減らすことができることを覚えておいて損はありません。

(参考)
・安心豆知識「子どもと安全マップを作る意味」
・安心豆知識「泥棒が一番忌避するものとは」

セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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