「末尾0110」警察を装う偽電話に注意

▼ 「警察の番号」を偽装する詐欺が横行
実在する電話番号を偽装してかけてくる詐欺電話が急増しています。
特に目立つのが、警察署の電話番号の末尾「0110」が使われるケース。
実在の警察署の代表番号そのものが表示されるケースも確認されています。
これは「スプーフィング(番号偽装)」という技術によるもので、IP電話や一部の海外通話アプリを使えば、発信者番号を任意の番号に設定することが可能です。
「03-XXXX-0110」など、実在する電話番号を画面に表示することができてしまいます。
番号が実在するかどうかにかかわらず、内容に不審な点があれば、まずは疑う姿勢が大切。
警察からの電話ということで心理的に焦ってしまうところを巧みに利用してきます。
警察を名乗っていても、話の内容を鵜呑みにせず、冷静に対応することが被害を防ぐポイントです。
▼ なぜだまされる?偽電話の詐欺手口
「警察からの電話(表示番号03-XXXX-0110など)」だからと警戒心を解き、信じてしまうのも無理はありません。
実際に確認されている手口の一部を紹介します。
【典型的な詐欺の流れ】
「あなたの口座が犯罪に使われた可能性がある」
口座を調べるために必要だからと金銭を振り込ませる。
「捜査のためにキャッシュカードを確認したい」
自宅に偽の警察官があらわれてカードや暗証番号を提示させる。
「あなたの携帯電話が犯罪に使われています」
SNSやビデオ通話に誘導して資産状況を聞き出す。
詐欺の常套(じょうとう)手口は、相手の不安を突き、判断を急がせること。
たとえ相手が警察を名乗っていても、「緊急性の高い内容で判断を急がせる」には要注意。
実際の警察が、金銭のからむ協力や依頼をすることは絶対にありません。
もっともらしく聞こえる説明も、落ち着いて考えれば不自然な点があるはずです。
▼ 警察を装う偽電話にだまされない対策
警察からの電話を装った詐欺は、電話番号の表示だけでは見破ることができません。
実在の番号を使っていても、発信元が本物とは限らないのです。
こうした手口に対しては、「表示された番号を信用しない」「話の内容を冷静に判断する」という基本的な姿勢が重要です。
以下の対策を意識してください。
・警察を名乗る電話でも、内容に違和感が出たら疑う(特にお金の話は注意)
・怪しいと感じたら、相手の名前、部署名、内線番号を聞いて一度電話を切り、自分で調べた正規の番号にかけ直す
・家族や信頼できる第三者に相談する
・金銭の支払いなどに応じてしまったら、警察相談専用ダイヤル「#9110」や消費者ホットライン「188」など、公的な相談先に連絡する
冷静さを保ち、即答せず、確認する。それが、被害を防ぐ最も確実な方法です。
家族にも「警察を名乗る偽電話の詐欺がある」ことを共有し、被害を防ぎましょう。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクインテリジェンスグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事


侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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