自動音声ガイダンスを使った詐欺
▼ 自動音声ガイダンスを使った詐欺の手口
自動音声ガイダンスを使った詐欺とは、電話を使った特殊詐欺の一種です。
電話から自動音声を流し「未納料金がある」などと偽り、個人情報を聞き出したうえで最終的に金銭を詐取するもの。
自動音声を使った詐欺の被害が急速に増加しており、警察や国民生活センターも注意を促しています。
【自動音声メッセージの代表例】
・公共料金や税金の未納がある
・クレジットカードが不正利用された可能性がある
・銀行口座が不正利用されている
緊急性を要する内容が多く、自動音声のガイダンスに従って操作を進めると通話口に犯人があらわれ、実際に支払いを迫るケースが多く確認されています。いわゆる架空料金請求詐欺の手口の一つといえます。
実在する事業者や公的機関になりすまし、「今すぐ対応が必要」「支払わないと法的措置をとる」など、不安を巧みにあおるのも特徴です。
特殊詐欺に電話を使うのは常套的な手口ですが、自動音声を使うことによって、より多くの人にアプローチすることが可能になっています。
高齢者など情報通信技術に不慣れな層がターゲットにされやすいことも増加の一因です。
▼ 不審な自動音声アンケートにも注意
大手電力会社を名乗る不審な自動音声アンケートが全国各地で多数確認されています。
実在の大手電力会社では自動音声によるアンケートを一切おこなっていないとし、電力会社をかたる不審なアンケートに注意するよう呼びかけています。
自動音声アンケートで不正に情報を集める目的ははっきりしていません。
住まいの状況、家族構成などを聞き出そうとすることから、個人的な情報を集めていると考えられます。
個人情報を悪用する犯行グループが存在する可能性も否定はできません。
【自動音声アンケートの代表例】
・アンケートの目的を明確にしない
・自治体や行政機関、大手企業などを名乗っている
・名前や住所、生年月日やクレジットカード番号など個人情報を含む項目が含まれている
自動音声アンケートのすべてが不正というわけではありません。
正規の目的で利用されるケースも多くありますが、なかには悪意のあるアンケートがあることを意識しておきましょう。
不用意にアンケートに答えると、その情報がどのように扱われるかはわかりません。
しつこい勧誘や訪問販売のターゲットになったり、個人情報が売買されて闇名簿に載せられたりする可能性があります。
多くの場合、回答は任意なので、真偽が定かでないのであれば切ってしまった方がよいでしょう。
▼ 電話による「自動音声」でだまされないための対策
自動音声ガイダンスを使った詐欺や不審な自動音声アンケートの事例からわかるように、特殊詐欺の手口は巧妙です。だまされないための対策をまとめます。
□ 不審な電話番号には出ない
非通知や知らない電話番号に警戒してください。
自動音声ガイダンスや自動音声アンケートでは、発信元に携帯電話が使われているものや、フリーダイヤルの「0120」「0800」が使われているものが確認されています。
□ 公的機関を名乗る自動音声に注意
警察や行政機関、自治体など公的機関が自動音声を使って一斉連絡をおこなうことは、まずありません。ガイダンスで電話機の操作を求められても、応じないでください。
□ 自動音声が名乗る機関に確認する
自動音声の内容から対応すべきかどうか迷ったときは、その場では一度電話を切って、関連する機関に直接確認してください。特に金銭の支払いや個人情報の提供を促す内容は、冷静に対処することが大切です。
□ 特殊詐欺の情報を得る
警察庁や消費者庁、国民生活センターのウェブサイトでは、特殊詐欺の手口や対策が詳しく紹介されています。
新たな手口を知り警戒するためにも、定期的にチェックすることをおすすめします。
【不審な「自動音声」がかかってきたときの相談窓口】
自動音声への対応で不安を感じたときは警察や国民生活センターに相談しましょう。
・警察相談専用電話「♯9110」
犯罪や事故にあたるかわからない、悪質商法などの心配ごとを相談したいときに対応してくれます。
・消費者ホットライン「188」
地方公共団体が設置している身近な消費生活センターや消費生活相談窓口につながります。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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