防犯 2023年06月23日

「見せる防犯」で住居の安全性を強化

▼ 泥棒が選ぶ「侵入しやすい家」とは?

空き巣居空きなどの侵入窃盗が増加傾向にあります。
高齢者の家を狙った強盗事件も相次いでおり、強引な手口が増えているのも気がかりです。
どうしたら被害を防ぐことができるのでしょうか。

そもそも泥棒は、行き当たりばったりではなく、侵入しやすい家を見定めてから犯行に及びます。
「侵入しやすい家」とは、防犯対策が手薄な家。
時間をかけずに侵入でき、見とがめられるリスクが少ない無防備な家が狙われているのです。
次のような条件にあてはまる家は、泥棒に狙われる可能性があります。


<泥棒に狙われやすい家>
□ 高い塀や庭木などに囲まれていて見通しが悪い
□ 敷地内に物が多く、雑然としている
□ 家の裏手など目が届きにくい場所に窓や勝手口がある
□ 家の周囲に足場になる物がある
□ 窓やドアを施錠していない

これらの条件に該当していて、何の防犯対策もしていない場合、「この家はたやすく侵入できる」と認識されてもおかしくありません。

泥棒が選ぶのは、無防備な家です。
泥棒への警戒心を対外的にわかりやすく「見せる」ことが重要な防犯対策と言えます。

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▼ 泥棒が嫌がる「見せる」防犯対策
泥棒に「見せる」わかりやすい防犯対策として、あげられるのが「防犯カメラ」や「防犯ステッカー」です。
目立つ場所に設置しているだけで、犯罪抑止力が期待できます。

ただし、玄関先だけ防犯対策をアピールしても不十分。
泥棒が目をつける「家の弱点」にこそ「見せる」防犯対策が必要です。

(1)敷地内の見通しを良くする
泥棒は侵入する家を物色する際に、家の裏手や庭の奥のほうも観察しています。
敷地内に物が雑然と置かれていたり、雑草が生い茂っていたりしたら、いくら玄関先に防犯カメラがあっても、防犯が手薄だと思われかねません。
家の敷地内はくまなく整理整頓して、奥のほうまで見通し良くしておくことが、泥棒への防犯アピールになります。

(2)「死角」にこそ泥棒が嫌がる防犯対策を
一般住宅の構造上、どうしても人の目が届きにくい「死角」は存在します。
たとえば家の裏手などに回り込まれたとします。その近くにある勝手口や2階の窓などが無防備では、あっという間に侵入されてしまうでしょう。
「死角」になる場所にこそ、泥棒にあきらめさせる強固な防犯対策が必要。
防犯カメラやセンサーライトの設置、防犯砂利の導入などが有効です。

(3)窓の上部に補助錠を設置
侵入口として選ばれることが多い窓。
クレセント錠だけなら、ものの数秒でガラス破りという手口で侵入可能です。
窓も"ワンドアツーロック"のように、補助錠を追加しましょう。
上部に補助錠が設置されている窓は立って作業をせざるを得ないので、人の目につきたくない泥棒は嫌がります。
窓の上部に補助錠を設置して、防犯意識の高さを見せつけましょう。
戸建住宅の2階や、マンションのベランダの窓なども狙われやすいので油断できません。

(4)自転車や自家用車は厳重に鍵を
家の敷地内でも自転車にはしっかり鍵をかけましょう。
自家用車もドアキーだけではなく、タイヤロックやハンドルロックを利用すると、住人の防犯意識や警戒心をアピールできます。
また、脚立など足場になりそうな物は極力外に置かないほうが良いですが、どうしても置かざるを得ない場合はチェーンなどで安全な場所に固定してください。
「どれもしっかり鍵がかかっている」という状態は、泥棒には嫌なものです。

(5)花を植えて「近隣の目」も味方に
見つかることを嫌がる泥棒は、人の目が向きやすい家を避ける傾向があります。
庭先やベランダによく手入れされたきれいな花が咲いていたり、イルミネーションで飾られたりしていたら、通りかかった人が自然と注目します。人々の視線が、監視の目の代わりになるのです。泥棒が身を隠す場所に悪用されないよう、プランターや花の高さなどにも工夫しましょう。


▼ 泥棒が敬遠する街づくりを
自宅で「見せる防犯」対策をしていても、近隣で空き巣などの被害が出れば不安になってしまいます。
地域全体で泥棒が近づきにくい環境づくりを心掛けたいものです。

泥棒が狙うのは、住人同士のつきあいが希薄で、地域への関心が低い街。
隣に誰が住んでいるかも知らず、ゴミや落書きが放置されているような地域では、外部から人が入り込んでも気づかれません。泥棒にとっては「仕事」がしやすいと言えます。

反対に、気軽にあいさつを交わすような近所の交流が活発な街は、怪しいよそ者にすぐに気づきます。
泥棒からすれば犯行が発覚するリスクが高いので、うかつに入り込めません。
泥棒が犯行をあきらめた理由として、「近所の人に声をかけられたり、ジロジロ見られたりした」が多いことからも、近所づきあいの大切さがよくわかります。

日ごろから隣近所と声をかけあい、見慣れない不審な人物がいたら「何かご用ですか?」などと声をかけましょう。
こうした行動も、泥棒にアピールする「見せる防犯」です。
自分が住んでいる地域に関心を持ち、異変をいち早く感じ取ることも防犯対策のひとつと心得ましょう。

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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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