空き巣は下見でココを見る!住まいの防犯診断
▼ これが空き巣狙いだ!データから見る「空き巣の特徴」
コロナ禍で在宅割合が増えていることから居空きや忍び込みなど、在宅時の泥棒が増加傾向にあります。
しかし、侵入窃盗で圧倒的に多いのは、いまも変わらず「空き巣」。
空き巣とは、家人の不在時を狙って住居に侵入する泥棒を指します。
警察庁の統計によれば、侵入窃盗の約1/3は空き巣です。
住宅侵入盗のうち空き巣は約65%を占めています。
平日の日中、仕事や学校で留守になるタイミングが空き巣に狙われやすく、多くが10時~16時の時間帯です。
土日よりも、月曜日~金曜日の平日にやや多く発生しているので、空き巣の活動時間は「週5勤務のビジネスパーソン」の生活リズムに近いと言えるかもしれません。
テレワークで日中も在宅しているご家庭も増えていますが、そのぶん留守のご家庭が空き巣に狙われるリスクが高まっているとも考えられます。
空き巣は突然やってくるわけではありません。
下見をして留守を把握しています。
狙いをつけた家は、何度も下見をして「○時~○時まで不在」とかなり詳しく調べ上げているケースは少なくありません。
わずかな留守がピンポイントで狙われることもあります。
平日の日中、家を空けることがある方は、これまで以上に空き巣に警戒してください。
【あわせて読みたい!在宅時の泥棒対策】
・在宅中の泥棒にご用心!「居空き」「忍び込み」の手口
▼ 空き巣に狙われやすい住居の弱点はどこ?
空き巣の侵入口の傾向から、住居のどこが狙われやすい場所なのかがわかります。
警察庁の統計では、空き巣の手口でもっとも多いのは「ガラス破り」です。
窓ガラスの一部を破壊して、割った箇所から手を入れてクレセント錠を解錠。
ほとんど音もたてず、あっという間に侵入します。
次いで多いのは、「無施錠」の窓やドアからの侵入。
外出する際、玄関のドアは施錠すると思いますが、空き巣が狙うのは鍵をし忘れた勝手口や窓ガラスなどです。
2階のベランダの窓でも、鍵が開いていると見れば、空き巣はするするよじ登ってそこから侵入します。
屋上からロープを垂らしてベランダに伝い降りる「下がり蜘蛛」という手口もあるので、マンションの高層階でも窓を開けたまま外出するのは危険です。
ピッキングやサムターン回しなどで玄関ドアを解錠する「施錠空け」という手口もあります。
防犯性の高い鍵が普及して以前よりは減っていますが、防犯性の低い古い鍵を使用している家や、鍵がひとつしかない玄関ドアなどが、かえって狙われやすくなっているようです。
▼ 空き巣は下見でココを見ている!
空き巣が下見でチェックしているのは、周囲から目につかず侵入できる家かどうか。
見られにくいか、隠れられるか、侵入口に容易にアプローチできるかなどが下見のポイントです。
<空き巣が下見でチェックするポイント>
・塀が高く、敷地に侵入しても身を隠せる
・庭木などで敷地内が前面道路から見通しにくい
・隣家と近接していて、家の裏や脇は人目につきにくい
・勝手口が奥まった場所にあり、周囲から死角になっている
・ベランダが腰壁で身を隠せる
・カーポートや雨どいなど2階への足掛かりがある
・窓枠や窓格子が古くて貧弱
・無施錠の自転車や脚立などが無防備に庭先に放置されている
住居の防犯性は、高い塀で強固に囲めば守られるものではありません。
防犯環境設計という考え方では、「監視性の確保」が非常に重要です。
植栽を剪定したり、ブロック塀をフェンスにしたりして、周囲からの見通しをよくすることが、犯罪発生リスクの低減に効果的であることがわかっています。
侵入被害の実態調査でも侵入箇所の多くが前面道路から離れた奥まった家の裏側に集中していました。
空き巣などの泥棒がいかに人の目を嫌うかがわかります。
死角が多く、ひとたび敷地に侵入してしまえば、見とがめられることがない。
そんな家がないかを、空き巣などの泥棒は下見で探しているのです。
自宅に該当するところがないか、ぜひチェックしておきましょう。
次回は、空き巣対策として有効な防犯のノウハウをまとめます。
* * * * * * * * *
<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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