ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 暦(こよみ)とセキュリティ
1年で最も寒い時季の2月となりました。2月の古称は「如月(きさらぎ)」、もともとは古代中国で使われていた漢語に日本語の読みをあてた言葉ですが、寒い時節の「衣をさらに着る」月であることから「衣更着(きさらぎ)」という、しゃれた解釈もあるようです。
2月は、1年で一番短い月であり、また年によってその日数が変化する変わった月となっています。今回のコラムでは、2月の特殊性と暦(こよみ)、つまりカレンダーとの関係について考えてみたいと思います。
・暦と天文学のはじまりとその当時のセキュリティ
暦は、人類が狩猟採取から農耕によって食糧を確保するようになったことに深く関係しており、川の氾濫や季節の変動に周期性があることに気づいた古代文明の時代に端を発しています。この周期性に関する知見は、農耕によって日々の糧を得はじめていた時代、その「実り」を維持するため、すなわち「食糧確保のセキュリティ」を維持するための、まさに画期的な技術でした。
やがて、人々は星や太陽などの天体の動きが、この周期性と深く関係していることに気づき、農耕のタイミングを知るための必要性から「天体の動き」を観測し始めたのです。多くの文明において、「天体の動きに関する知識体系」である天文学は、実りを確保するセキュリティのための「実学」だったのです。
・画期的なセキュリティ技術としての暦
すなわち、「(世の中でおこなわれる農耕の)オペレーションが、あらかじめのプラン通りに進むこと」というセキュリティを確保するための欠かせない知見が天文学だったということです。
今でこそ、世界のどこにおいても当たり前に見られる暦、カレンダーですが、もともとは、天文学が明らかにした天体現象であった季節や天候などの変動を、一般の人々が使いやすい形にまとめたものでした。
現在、世界中で使われている暦は、地球の自転周期で決まり、人々の日々の時間感覚に合う「日」、月の満ち欠けの周期から決まり、人々の季節の移り変わりの感覚に合いやすい「月」、そして地球が太陽の周りを回る公転によって決まり、農耕の周期を知らせる「年」、これら三つを「相当な無理をして」融合させたものであり、古の時代から人類が蓄えてきた「知」の結晶そのものなのです。
・2月の特殊性が生まれたわけ
現在、世界中で使われている暦、カレンダーが今のようになったのは、世界史上の超大国であった「古代ローマ」の暦が、農耕が始まる3月が起点だったことに関係しています。
これが、年と月、日のタイミングを合わせるための端数調整が、1年の最終月であった2月に行われる慣例ができた理由です。すなわち、月の日数が少なく、また「うるう日」がこの月におかれるという2月の変則性は、古代ローマの時代に、「年」「月」「日」の三つの要素を、半ば無理矢理融合させた暦を作ったことに端を発しているということです。
2月の日数が他の月よりも短いのは、農耕のタイミングと季節感覚を合わせ、農耕による確実な収穫と、人々の利便性を高めるための人類の叡智そのものだともいえます。暦が、古の時代からの、世の中のセキュリティのための技術そのものであることがお分かりいただけるのではないでしょうか。
古の時代から、人々は「(農耕をはじめとした世の中の)オペレーションが、あらかじめのプラン通りに進むこと」という広い意味でのセキュリティを維持するため、さまざまな形でその知見を集約し、それを技術として有効活用することに挑み続けているのです。
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