ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 人の本能を突いてくる巧妙な犯罪手口に注意
8月も半ば、世の中はお盆の夏休みシーズンとなりました。多くの職場が夏休みのこの時期、小売店などでは、休み中の人々をターゲットにしたセールなどが行われています。
家電量販店のエアコン売場は特にかき入れ時。エアコン売場に行く人々の中には、使っているエアコンが故障し、できるだけ早く設置できる機種を求めてという理由の人も少なくありません。暑い時期のエアコン故障の際、多くの人が取るであろうこの行動は、暑さという「不快から逃れたい」という人の本能によります。通常は、機種選定や価格などにうるさい人でも、このような場合は「できるだけ早く設置できる」という基準が最優先、財布の紐も、普段よりゆるみがちとなるところでしょう。
最近、「特殊詐欺」(被害者と対面しない形の詐欺)の被害が特に増えています。特殊詐欺では、「自分は絶対だまされないと思っていた」、「詐欺には注意していたはずなのにやられてしまった」と言う被害者の声を聞くことがあります。「詐欺の手口を知っていた」のに被害にあってしまったというケースです。
実は、このような詐欺被害は、夏のエアコン故障の際に、できるだけ早く設置できるエアコンを求める人々の行動と一脈通ずるところがあるのです。双方ともに「一刻も早く不快から逃れたい」という人の本能に関係するというところです。
特殊詐欺の一種の「振り込め詐欺」では、子どもや孫になりすまして窮地に陥っていることを伝え、それを解決するための金銭供与を懇願する手口が使われます。電話などで、そのウソの話を伝えられた側はパニックに陥り、大きな不快を感じることになります。結果として、普段は冷静な判断ができる人間であったとしても、本能的に「そこから一刻も早く逃れる」ためのアクションを起こしてしまいがちなのです。
特殊詐欺は、人が持つ「不快から逃れたい」という本能を突いてくる、非常に巧妙な犯罪だといえます。「知っていたのにやられてしまった」という被害が見られるのは、人が、本能の呪縛から逃れることが難しいことを物語っています。このことを十分に意識し、万が一の際には、ぜひ今回の話を思い出していただければと思います。
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