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残暑お見舞い申し上げます。暦のうえでは今日からは秋ですが、今、日本は一番暑い季節のまっただ中です。1821年の本日の日付、8月7日は、伊能忠敬らが実際の地形を測量して作った日本地図「大日本沿海輿地全図」が完成し、時の政府である江戸幕府に献上された日にあたります。史上はじめて日本の国の本当の姿を明らかにした偉業です。
伊能忠敬に端を発した日本の地図作りは、今では国土地理院などの国の組織に留まらず、民間企業もその一翼を担って行われています。その民間企業の一つが、セコムグループの一員でもある地理(空間)情報サービス会社、パスコです。昔は測量で作っていた地図も、航空写真から作られるようになり、さらには航空機から発したレーザー光線によって地面の凹凸などの3次元情報を直接計測できるようにもなっています。そして、今では、その地面情報の収集を、宇宙を飛ぶ人工衛星から行うことも可能になっています。
地図が一般的になる前の時代、地図情報は国家機密でした。そのため、伊能忠敬の作った地図を国外に持ち出そうとしたシーボルトは、スパイの嫌疑をかけられたのです。当時、欧米列強によるアジアの植民地支配が進んでいたため、時の政府(幕府)がその足がかりとなる地図の扱いに相当神経質だったのもうなずけます。
見知らぬ土地を訪れた際、私たちまずはその場所の地図を手に入れようとします。人が、何らかの行動を起こす時には、そこがどうなっているかの情報が必ず必要となるからです。古の時代から、新しい土地に行った人は、その場所の地図を作る活動をしています。実際、歴史上、探検隊と呼ばれている人々の重要な仕事の一つが、その場所の地図作りでした。
地図情報は、今では2次元から3次元の「空間情報」になり、「ある場所におけるセキュリティ」、すなわち「そこで行われるオペレーションを維持する営み」のために広く活用されています。今、私たちは、地図があって当たり前の世界に生きていますが、地図に代表されるその場所に関する情報は、現代社会のセキュリティを維持するために欠かせない存在であることを覚えておいていただければと思います。
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