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1333年5月22日、日本における最初の本格的な武家政府である鎌倉幕府が終わりの時を迎えました。実権を握っていた北条氏が滅ぼされたのです。幕府がある鎌倉を直接攻めたのは新田義貞ですが、時をほぼ同じくして、足利尊氏などの武将が各地で反旗を掲げています。
その時、幕府に背いた一人に、その当時「悪党」と呼ばれた楠木正成がいます。当時、悪には、今でいう「わるい」という意味だけではなく「勇猛果敢」、「力強い」という意もあり、そこから派生して悪党という言葉には、「状況を変えよう行動する者」、「変革者」の意味合いもあったようです。この「状況を変える」という行動は、見方を変えると「秩序を乱すもの」と捉えることもできます。
場所の防犯に関する(狭い意味での)セキュリティとは、「正当な目的を持たないエージェントを管理区画の中に入れないこと」と考えることができます。「エージェント」とは周りに働きかける作用を持つ存在のことです。この時代の支配階級である荘園領主は、彼らにとっての「秩序を乱すもの」、すなわち「悪党というエージェント」を自らの管理区画である荘園に入れたくなかったのです。
歴史を見ると、鎌倉幕府終焉の時のみならず、室町幕府末期の乱世(戦国時代)や江戸時代末期(幕末)など、世の中が変わるときには、何らかの「乱れ」が生じています。これは日本に限りません。フランス革命の際にもその後、世が乱れ、多くの命が失われました。今使われる「テロ」という言葉は、革命後の政治によって人々にもたらされた「恐怖」を意味するフランス語「Terreur(テロル)」から来ています。
セキュリティは、広い意味では「ある組織のオペレーションが、あらかじめ定めたプラン通りに進み、理由によらず、それが妨げられないこと」。セキュリティを考えることは、このオペレーションについて考えるということです。革命や改革は、世のオペレーションを変えるということであり、その意味で、過去に起こった世の変化の記録である歴史は、私たちに「セキュリティのなんたるか」を考えるきっかけを与えてくれる存在なのです。
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