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「ロウソクの灯り」のなぜ

 本日8月15日は、「お盆の中日(中元)」です。江戸時代、お盆には、ロウソクを灯した「盆供え」をするとともに、商家などで得意先に贈り物をする風習が成立しました。今も残る「お中元」のルーツは、もともと「中元」のお供え物でした。

 九州北部の「精霊流し」や京都の「五山の送り火」などを見ても分かるように、お盆の時期、先祖供養のために火を使った儀式が行われます。

 人はロウソクの炎がゆらいでるのを見ると、なぜか心が落ち着き、心地よく感じます。炎のゆらぎが、自然界に存在する適度に規則的かつ適度に不規則な変動である「1/f(エフ分の一)ゆらぎ」だからと言われています。小川のせせらぎの音や、木漏れ日の光、そよ風や、人間の血流音などが、この1/fゆらぎの傾向を示すことが分かっています。

 1/fゆらぎには、人の心に働きかけ、心地よさを感じさせる効果があります。これが、ロウソクの炎をずっと見続けていても飽きない理由です。電球が発明され、蛍光灯、LEDと照明が進化しても、「炎による灯り」に人々が心惹かれ、儀式などでロウソクの灯りが使われ続けているのにはこんな秘密が隠されています。

 お盆の時期、各地の自治体、消防などでは、この火を火元とした火災に注意を呼び掛けています。最近は、LEDを使って「1/fゆらぎ」を再現し、あたかも炎がゆらめいているように見える「電子ロウソク」もあります。お盆の「火の用心」には、火を使わないこのような灯りを使うのも一つの手であるかと思います。

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