ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > DIYでは本来の目的を達成しにくい工事とは?
・エネルギー以外にも、専門家に依頼した方が良い工事が・・・
前回のコラムでは、ご自分で手を動かして行う「Do It Yourself(DIY)」で、家まわりのメンテナンスを行う際に、素人が不用意に触れてはいけない「エネルギー」という領域があることについて述べました。今回は、その続編として、専門家に依頼した方がよい家まわりの工事について考えてみます。
筆者が、これまで防犯診断のためにさまざまな個人宅にお邪魔する機会があったのは、前回のコラムでも紹介しました。その際、前回の電源ケーブルの配線以外にも、本来の目的を達していないのではというDIY工事をしばしば見かけることがありました。
・家の防犯診断で散見された「ある事例」
それは、窓ガラスなどのガラス面への「透明フィルムの素人貼り」工事です。ホームセンターなどで売られている粘着剤付きの透明フィルムを、防犯のために、ご自分で窓ガラスなどのガラス面に貼られているのですが、DIYされた方の意図に反して、本来の防犯目的を十分に果たせていないケースが散見されたのです。
・十分に防犯目的を果たせていない事例
窓ガラスに貼る透明フィルムには、窓の外からの紫外線をカットする目的のもの、地震などの際にガラスが割れて飛散するのを防止するものなど、さまざまな種類のものがあります。また、「防犯」をうたっているフィルムにも、その強度の検証が十分でないものなどもあります。そのため、防犯のためにフィルムを貼っているはずなのに、悪意の人間による侵入に対して、十分な強度がないと思われるケースが少なからず見られました。
・DIYで行った工事がまずいケースも
また、せっかく防犯強度があるフィルムを使っているのにもかかわらず、DIYで行った設置工事がまずいために十分な強度が取れていないケースもありました。防犯フィルムを、その防犯性能を発揮できる形でガラスに貼るには、フィルムの粘着剤がついた面の全面を、ガラスの面に密着するように貼りこまなければなりません。フィルムを貼りこむ際に、ガラスとフィルムの間に気泡ができると、その部分の強度は極端に弱くなるのです。また、「スリガラス」の「スリ面」にフィルムを設置していて、十分な接着強度がないケースもよく見かけました。
・その工事は素人には難しい
実際にやってみると分かりますが、防犯フィルムをガラスに貼りこむ工事を、DIYで行おうとしても、素人が気泡を生じさせないように、それを行うのはとても難しいのです。実際、DIY工事で設置された防犯フィルムでは、ガラス面との間に気泡があるのをよく見かけました。
・防犯では「餅は餅屋」
前回のコラムでは、DIYタブーの領域として、家庭で扱っているエネルギー、そしてその「通り道」があることについて紹介しましたが、窓ガラスへの防犯フィルムの設置も、素人のDIY工事では十分な強度をとることが難しく、「防犯」という本来の目的をなかなか達成できないことを覚えておいていただければと思います。
一般の場合と異なり、防犯は、悪意のある人間の存在を前提に、それに対応することを考えなければなりません。その意味で、防犯は「餅は餅屋」の分野であり、DIYにはあまり向いていないと言えるのです。
【関連情報 pick up!】
・安心豆知識「DIYがタブーの領域〜素人はそれに触れてはいけない〜」
・データから読む「泥棒の狙い目はおよそ6割が窓ガラス」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |