ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > セキュリティに関係する人類史上最大の発明とは
太古の昔、人類はヒトに進化するのと時を同じくして、火を使い始めました。はじめは落雷や噴火などで起きた山火事などからそれを得ていたのでしょうが、やがて摩擦熱や、火打ち石などを使って火を起こす技術を発明しました。火を人工的に起こす手法の発明は、ヒトをヒトたらしめた、人類史上最大の発明だと断定しても良いものと思います。
火がもたらした安心とは
人類の文明は火の使用と時を同じくして始まりました。火は、食材の加熱調理を可能にして、人類黎明期の食に一大変革をもたらしただけでなく、暖を取る方法として、人類が寒い地方に進出するための大きな力になりました。これらに加え、火は夜の灯り、灯火にもなったということも忘れてはいけません。火を使いこなす技術を得ることによって、人類は夜の闇から解放され、夜行性の肉食獣などの外敵に怯えなくても良い暮らしを手に入れたというわけです。人類が人類になった太古の昔から、19世紀、エジソンによる電球の発明までの本当に永い間、火はその姿を変えながら灯りとして使われ続けました。
前にも触れましたが、人は自らの身を守る情報の多くを目から得ています。本当の暗闇ではこの視覚情報が断たれるため、人は不安になり、不快を感じます。火による灯りを手に入れることによって、人類は始めて暗闇から解放され、夜間における心の平静、すなわち安心を手に入れることができるようになったと言えます。
火とセキュリティとの関係
昔、江戸の街では、家々は夜の通りに提灯を掲げることが求められ、人が、夜間外出する際には提灯を持つのがルールだったということです。ちなみに小田原提灯は、折りたたむことができ、携帯に便利なことから、帰宅が遅くなって夜になった場合に備えて持って行った非常用照明器具だったそうです。
一方、中世のヨーロッパでは、夜間外出する人間にランタンを持って同行するファロティエと呼ばれる職業があったとのことです。この職業に就くには警察の許可が必要で、その中には警察と一緒になって街の防犯にも協力した人間もいたそうです。さしずめ、火による灯りが生み出した中世ヨーロッパ版の民間セキュリティビジネスとでも言えるでしょうか。
セキュリティという言葉は、「○○から離れている」という意味の「Se」という接頭語に、心配を意味する「Cura」が組み合わされてできています。語源的に言うと「心配から離れている状態」がセキュリティです。その意味で、火による灯り、そしてその火を起こす発火技術は、人類が最初に手に入れた画期的なセキュリティシステムであったと言えるでしょう。
一般的に言って、泥棒や引ったくりなどの犯罪は人目につかないところで行われます。その意味で、夜間の灯りは、人の目につかない状態を解消し、防犯につながるのです。江戸の街で義務づけられていた提灯や、中世ヨーロッパのランタン持ちファロティエの存在が、当時の社会のセキュリティに貢献し、人々の安心につながったことは容易に想像できます。
何かあったら、何かが起こりそうだったら、その状況を早く知る、セキュリティの基本です。各種センサーによって異常をいち早く知る機能を持つ、ホームセキュリティなどのセキュリティシステムの本質的な意味はここにあるのです。
(参考)
・安心豆知識「暗いところはなぜ怖い?周りの情報を知りたいという本能」
・安心豆知識「光のマジックで夜の泥棒に対抗しよう」
・セコム・ホームカメラシステム(センサーライトカメラ)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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