ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 遠隔操作されるというリスク
過去2回のコラムでも触れましたが、スマートフォン(スマホ)の普及と、それによる遠隔操作を受け付けるスマート家電の出現は、新たなセキュリティの課題を生み出しています。外部からコントロールされる機器が、悪意の人間に操られると、今まで考えが及ばなかったさまざまな問題が生じるのです。
昔のロボットアニメでは
昔のテレビアニメに、敵が、主人公の持つ無敵のロボットのコントロール装置を奪おうとする話がありました。その無敵ロボットは遠隔操作されるタイプであり、コントロール装置を手にする人間の意のままに動くものであったためです。ロボットのコントロール装置を手に入れようとする敵が、さまざまな手段を使って主人公に働きかけるというストーリー展開でした。テレビの前の子どもたちは、コントロール装置がいつ騙し取られるかとハラハラドキドキ、翌日の遊び場ではその話題で持ちきりでした。遠隔操作されるロボットでは、それをコントロールする装置に対するセキュリティが極めて重要になります。正義のロボットが、悪意を持つ人間にコントロールされては困るからです。
多くの機器がロボット化している
現在、身の回りの多くの機器には、小さな制御用コンピューターが搭載され、ソフトウェアによってその動作が決められています。広い意味での「ロボット化」です。これは、ホームセキュリティなどのセキュリティシステムについても同様です。この意味で、今のセキュリティシステムは、世の中の平和を守る「現実世界の正義のロボット」であると言っても良いかもしれません。この「正義のロボット」であるはずのセキュリティシステムが、悪意を持つ人間にコントロールされると困るのは、昔のロボットアニメの場合と同じです。
悪意にコントロールされるリスク
時代の変化により、多くの機器が、遅かれ早かれ、スマホなどから遠隔コントロール可能な「スマート」なものになっていくことは容易に想像できます。しかし、「現実世界の正義のロボット」であるはずのセキュリティに関係するシステムが、スマホなどから一律に遠隔コントロール可能となることは、一概には進化と呼べない面があることを忘れないでいただければと思います。
先般、パソコンからネット上に犯罪予告を書き込んだ脅迫犯人についての誤認事件がおきました。外部からの遠隔操作を可能とするコンピューターウイルスによって、誤認された人のパソコンが悪意の第三者のコントロールを受け付けるようになってしまったことが原因と報道されています。犯人と誤認されたパソコン所有者は、自らのパソコンが遠隔操作されていたことに気づいていませんでした。
残念ながら、これと同様の悪意のコントロールが、スマホなどに及ぶことを想定しておかなければならない時代になっています。たとえ、悪意の第三者によるコントロールが、あなたのスマホに及んだとしても、あなたの家のホームセキュリティは、そのスマホなどから遠隔操作されてはいけないということです。
悪意のある人間にコントロールされるリスク。多くの電子機器がネットにつながり、スマート化していくこれからの世の中において、注意しなければならない新しい視点かと思います。
(参考)
・安心豆知識「スマート家電普及がもたらす新たなセキュリティ上のリスク」
・安心豆知識「ネット家電のセキュリティ対策」
・データから読む「コンピュータウイルスに関する相談件数は前年比8割増」
・データから読む「スマートフォンのウイルス対策もお忘れなく」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
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