みなさんは、スマートフォンをお持ちですか。街中では、ほとんどの人が持っているのではないかと錯覚するくらいに、使っている光景をよく目にするようになりました。調査機関によっても多少数字は異なりますが、スマホの普及率は2割程度です。
　しかしながら、携帯電話の出荷台数としては、いわゆるフィーチャーフォンをスマホが追い越し、今後、ますますスマホの普及率は上がっていくものと思われます。

スマホを狙ったウイルスも登場
　ところで、スマホのセキュリティ対策は十分に行われているでしょうか。スマホは携帯電話の延長と捉える向きもありますが、実体はパソコンと同じです。セキュリティ対策もパソコン同様に考えてください。

　独立行政法人情報処理推進機構のまとめによると、先月8月のウイルスの届出件数は961件で、そのうち、スマホを狙ったウイルスは6件でした。
　右の図は、タイプ別のウイルス届出件数の推移を示しています(横軸の右端が先月8月)。以前は、Windowsのパソコンを狙ったものが多くを占めていましたが、ブラウザでWebサイトを見ているだけで感染するなどのスクリプトタイプが勢力を拡大させています。さらに、スマホのOSのひとつであるアンドロイドを狙ったものも見つかるようになっています。

犯罪の踏み台に使われないように
スマホにもウイルス対策を
「パソコンは持っていないけど、スマホは持っている」という方もいらっしゃるかもしれません。以前、本コラムでもご紹介しましたが、パソコンがサイバー攻撃の踏み台として使われるケースがありました。セキュリティ対策の不備を突かれて、悪用されたケースでしたが、今後はスマホが踏み台にされるケースが出てこないとも限りません。

　先日、セコムが行った「不安に関する意識調査」によると、パソコンやスマホにウイルス対策をしていると答えた方は、男性で78%、女性で66%でした。セキュリティ対策をされていない方が、まだ3割前後もいます。パソコンだけでなく、スマホにもウイルス対策アプリを導入して、しっかりと対策をしましょう。ただし、ウイルス対策と見せかけたアプリなどもあるようなので、信頼のおけるアプリを選んでいただきたいと思います。

情報セキュリティ・ポータルサイトが公開
　今や、情報セキュリティは、誰もが考えなければならないものです。つい先週も、情報セキュリティ・ポータルサイト「ここからセキュリティ！」が発表されました。このサイトは、インターネット利用者の利便性向上のため、警察庁、総務省、経済産業省と民間事業者が共同で設置した「不正アクセス防止対策に関する官民意見集約委員会」から発表されたものです。この委員会には、セコムトラストシステムズ（株）も参画しています。目的別に分かりやすくまとめられたサイトですので、情報セキュリティについて何か調べてみたいと思われたときに、ぜひ開いてみてください。

（参考)
・情報セキュリティ・ポータルサイト「ここからセキュリティ！」
・安心豆知識「サイバー犯罪にあなたのパソコンが使用される」
・データから読む「個人が所有するパソコンがサイバー攻撃の踏み台に」


セコムＩＳ研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰