ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 「○○なう」が生む新しいリスク
「コラム執筆なう」。今はやりのツイッター風に書くとこうなります。「なう」という語尾は英語の「now」から派生したもので、「今コラムを執筆中です」という意味です。スマートフォン(スマホ)など、個人が持ち歩ける携帯ネット端末が普及したことが大きな要因となって、このような形で「今何をしているか」が分かる情報を気軽にネット上に書き込み投稿(アップ)するのが珍しいことではなくなっています。これが、自らの生活に影響を及ぼす新しいリスクを生むということに気づいている人は、あまり多くありません。
ネット利用のユビキタス化が生む新しいリスク
泥棒は、侵入する家の留守を確認するために、その家に電話をかけることがあります。そのため、セコムでは「留守電には『不在を告げないメッセージを』」という注意喚起を行っています。「留守の情報を知らしめない」ということがその趣旨です。スマホの普及などによって、ネット利用のユビキタス化(「いつでも、どこでも、誰でも」化)が進んでいます。これによって、より危ない新しいリスクが生まれてきているのです。
「○○なう」の時、自宅は?
スマホが普及することで、誰もが簡単にネットへ、テキストや写真などのコンテンツのアップができるようになりました。冒頭でも書いたように、今では、「○○なう」などの形で「今○○にいる」ことが分かるようなアップが、当たり前になされるようになっています。「ハワイなう」という書き込みは、泥棒にとっては「自宅留守なう」(自宅は留守中)という情報そのものです。
「○○なう」は、泥棒にとって役立つ情報
ツイッターでは「ハワイなう」というメッセージとともに、それがアップされた日時も記録、表示されます。泥棒には、「ハワイなう」が書き込まれた日時から、書き込んだ人間が戻ってくるのに必要な時間を考慮し、「いつくらいまでなら、その人間の自宅が留守であるか」という計算が可能となるのです。「ハワイなう」を書き込んだ人の自宅は、時間的なゆとりをもって、ゆっくり侵入し、じっくり家捜しができる恰好のターゲットになってしまうというわけです。
スマホカメラからのアップにも注意
本コラムで、デジカメで撮った写真に、時間情報や位置情報が埋め込まれることについて触れたことがあります。これは、スマホのカメラ機能で撮った写真の場合もまったく同様です。通信機能がついていないデジカメで撮った写真と異なり、常にネットにつながっているスマホのカメラ機能で撮った写真は、非常に簡単にネット上にアップできてしまうので、特に注意が必要です。
観光地などで撮った写真を、そのままの形でネットにアップすることは、それをアップした瞬間に、その人間が自宅には居ないことを、広く宣言しているのと同じことなのです。スマホ写真には、それを撮った時間情報、位置情報が入るため、「ハワイなう」の例と同じリスクも生じます。
情報アップのリスクを考えよう
昨今のネット投稿の簡便さも手伝って、ネット上の情報が不特定多数の人間が見ることのできるものであることが、いつの間にか忘れられている感があります。気心がしれた仲間同士で、旅行などの情報を交換し合うのは楽しいものです。しかし、ネットを介した不用意な情報交換は、このような形で新しいリスクを生むものでもあることを忘れないで頂ければと思います。
(参考)
・データから読む「6%の泥棒が留守の確認に行うこと」
・安心豆知識「インターネットで写真を使う際に注意すること」
・女性のためのあんしんライフnavi「楽しい旅行・帰省のために・・・防犯対策をチェック!」
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |