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日本は安心して暮らせる国だと思いますか? 内閣府の世論調査から

 みなさんは、日本の治安をどう思われますか。先日、内閣府は「治安に関する特別世論調査」の結果を公表しました。「現在の日本が、治安がよく、安全で安心して暮らせる国だと思いますか」という設問に対して、「そう思う」あるいは「どちらかといえばそう思う」と答えた人を合わせると59.7%となり、2006年の前回調査に比べて13.6ポイント増えました。
 前回の調査では、「そう思わない」または「どちらかといえばそう思わない」を合わせた人が過半数を越えていたのに対して、今回は「安心して暮らせる」と思っている人が過半数を越えたことになります。

治安悪化を感じている人は8割
 また、「ここ10年間で日本の治安はよくなったと思いますか」という設問に対しては、「よくなったと思う」「どちらかといえばよくなったと思う」と答えた人を合わせると15.8%である一方で、「悪くなったと思う」「どちらかといえば悪くなったと思う」と答えた人を合わせると81.1%という高い値となっています。
 6年前の2006年の調査では、「よくなった」は11.3%、「悪くなった」は84.3%でしたので、多少改善されたといえるのかもしれません。昨年の刑法犯の認知件数は148万件でしたが、その6年前は227万件でしたので、件数としては、およそ30%は治安が良くなっているはずです。しかし、人々の感じ方はその10分の1程度しか変わっていないようです。

治安悪化の最大要因は地域との連携の希薄化
 治安が悪くなった原因についてみると、「地域社会の連帯意識が希薄となったから」が54.9%と第1位となっていますが、「景気が悪くなったから」は前回調査と比較して17.7ポイントも増加しており、景気と治安は強く結びついていると感じている方が多いようです。
 次いで増え方が大きかったものは、前出の「地域社会の連帯意識が希薄となったから」が5.9ポイント増、「国民の規範意識が低下したから」が5.6ポイント増となっています。反対にもっとも大きく減ったものは、26.9ポイントも減少した「来日外国人による犯罪が増えたから」でした。

地域コミュニティやマナーを守ることが大切
 以前、このコラムで東京都の体感治安に関する調査について書かせていただきました。その調査結果でも、治安が悪いと答えた人の理由で、「マナーが悪い人を見かける」や「落書きやごみが目立つ」というのが大きな理由となっていました。同様に、今回の内閣府の調査でも、「地域社会の連帯意識が希薄となったから」や「国民の規範意識が低下したから」などが、治安悪化の要因となっています。やはり、地域のコミュニティやマナーなども治安に大きく影響してきます。ご近所さんとのおつきあいや地域の見守り・パトロールといった地道な活動も、安心して生活するためにはとても大切なことです。

(参考)
・治安に関する特別世論調査(平成24年7月、内閣府)
・データから読む「体感治安に関係するのは街の外観と人々のマナー」
・木曜コラム「地域社会の「安全・安心」に貢献するセコムの「防犯パトロール」」


セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
濱田宏彰

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