ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 逃げ道を断つ防犯 逃走の制御
空き巣が侵入後にすぐすることは?
皆さんは、留守中を狙う泥棒、空き巣が家に侵入して最初にすることは何だと思われますか? 侵入後にすぐに家捜しを始めるのは、空き巣としては素人といっても良いかも知れません。多くの空き巣は、侵入後、まず第一に、家捜し中に住人が返ってきた場合に備えて、頭の中でシミュレーションを行い、逃走経路を確保します。住人が帰ってきた場合、すぐに脱兎のごとく逃げられることを確認した後に「仕事」に取りかかります。
「逃走経路を断つ」防犯
具体的には、玄関とは反対側の1階の窓を開け放したり、2階の場合には、屋根伝い、塀伝いで逃げられる動線を確認したりし、「仕事」をしている場所からすぐに逃げられるようにします。彼らの「商売」は、金品を盗んだ後、逃げおおせることで始めて完結するからです。アクセス動線が一方向に限られる家は、家捜し中に住人が帰って来た場合の逃走経路が確保できないため、空き巣には嫌われるのが普通です。
泥棒を家に近づきにくくする、すなわち「侵入経路を断つ」ことで、防犯を実現しようとするのが多くの防犯対策ですが、「逃走経路を断つ」という観点に立つと今までとは異なる防犯対策が見えてきます。
侵入経路を断つ防犯対策は、泥棒にとっては下見を行って研究し、工具などを準備して時間をかけてそれを外すことも可能です。一方、住人が帰ってきた場合の逃走は、彼らにとっては時間との戦いです。一刻も早く逃げなければなりません。そのため、逃走経路を断つ防犯対策は、それを外す時間が無いのが普通です。そのため、逃走経路を断つ防犯対策がなされた家は、泥棒に入る前の下見などで、候補から外されることが多いと言えるでしょう。逃走経路を断つ手段として、具体的には、内側からでも窓を開けることがすぐには出来ないカギ付きのクレセント錠を使ったり、2階からの逃走経路になりそうな塀の上に有刺鉄線などを設置したりするなどの対策が考えられます。
但しこれは、あくまでも家に施すちょっとした工夫などで、泥棒の逃走経路を断つ対策です。不幸にして、泥棒に鉢合わせしてしまった場合、彼の逃走を人力で阻止するのは極めて危険な行為ですので、この点十分に気をつけて下さい。
ホームセキュリティで泥棒にタイムレースを強いる
ここで、泥棒がホームセキュリティの入っている家に侵入することを考えてみましょう。泥棒の侵入は、各種センサーによってすぐに捉えられ、セコムからセキュリティスタッフが駆け付けます。そのため、泥棒は、住人が帰ってきた時からではなく、侵入した時点からのタイムレースを強いられます。従って、逃走経路を断つ防犯対策は、ホームセキュリティと併用すると、より効果を発揮すると言えるでしょう。内側からでも開けるためにはカギを必要とする裏口の扉を使ったり、家の中の扉にも簡単な錠をつけ、長時間留守にする場合に施錠したりすることによって泥棒の逃げ道を制限する防犯対策は、ホームセキュリティと併用することで、その効果が増強される対策となり得ます。
空き巣が「侵入が発覚したらすぐに逃げなければならない」という特性を持つ以上、逃走経路を断ち、タイムレースに追い込む防犯対策が施された家は、下見の際に敬遠されることが多いことがお分かり頂けるかと思います。
(参考)
・住まいの防犯対策 「防犯環境設計」を取り入れる (セコム防犯・防災入門)
・安心豆知識「侵入の足場をなくすという視点」(2010年1月18日)
セコムIS研究所
セキュリティコンサルティンググループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |