ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 世界中から注目される防犯理論 犯罪しにくい環境を作ろう
前回のコラムでは、国際犯罪学会の会議について触れましたが、この会議では「犯罪をしにくい環境」について多数の報告がなされました。今回は、この「犯罪をしにくい環境」の理論を簡単に紹介し、そこからホームセキュリティがなぜ泥棒を防ぐことにつながるかについて考えてみます。
実績によって世界中から注目
「犯罪をしにくい環境」を作ることによって犯罪を抑制しようとする防犯理論は、「状況的犯罪予防論(Situational Crime Prevention)」と呼ばれています。犯罪をする機会を少なくする方法論(犯罪機会論)の一つです。もともとは英国で提唱、社会導入されたもので、同国における犯罪抑制に大きく貢献したといわれています。この実績から、各国から注目され、複数の国で導入が試みられています。
状況的犯罪予防論とは
この状況的犯罪予防論とは、どのようなことを行うのでしょうか。英国でこの方法論を提唱、推進した犯罪学者であるコーニッシュとクラークは、これを5つの観点から整理しています。「物理的にやりにくい状況を作る」「やると見つかる状況を作る」「やっても割に合わない状況を作る」「その気にさせない状況を作る」「言い訳を許さない状況を作る」の5つです。
ここで状況的犯罪予防論を家庭の泥棒対策に当てはめて、具体的な方策を考えてみましょう。
1.「物理的にやりにくい」とは犯罪ターゲットを強化することです。家庭の泥棒対策では、防犯ガラスや不正解錠に強いカギを導入することがこれにあたります。
2.「やると見つかる」のは、死角をなくしたり、人々の防犯意識を高めたりすることで、侵入する行為が見つかる機会を増やすことです。
3.「割に合わない」とは、泥棒によって得られる利益を少なくすることです。盗まれるものを家に置かないようにしたり、名前を書くことで盗品を転売できなくしたりする方法がこれに当たります。
4.「その気にさせない」のは、泥棒する気を起こさせない対策で、現金や宝飾品などのターゲットを窓から見えないようにするなどが具体的な方策となります。
5.「言い訳を許さない」のは、例えば、泥棒が「手を拡げたら、窓に引っかかって勝手に窓が開いてしまった」などという訳の分からない「言い訳を許さない」ようにすることです。
世界中から注目される犯罪理論という割には、以外と単純で皆さんが日ごろ行っていることだったのではないでしょうか。しかし、これらの当たり前のことをきちんと励行することが効くのです。世界中から報告される実績がそれを物語っています。
ホームセキュリティと状況的犯罪予防論
ホームセキュリティは、センサーとネットワークによる監視と通報、人による判断と緊急対処、そしてステッカーによって、この犯罪予防論の3つの要素「やると見つかる」「割に合わない」「その気にさせない」状況を総合的に作り出し、「犯罪をしにくい環境」を実現するものです。ホームセキュリティは、世界が注目する「状況的犯罪予防論」という防犯理論の面からもその効果が説明できるサービスなのです。
(参考)
安心豆知識「国際犯罪学会における大きな話題」(2011/8/15)
安心豆知識「名前を書くことによる防犯」(2009/10/19) (防犯理論全般について解説)
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