その他安全 2024年06月07日

レジャーでの水難事故を防ぐには

▼ 7月~8月に多発する水難事故
夏は水難事故が増える時季。
水難事故の約半数は夏季に発生しています。

警察庁から発表された「令和5年夏期における水難事故の概況」によれば、2023年7月~8月の水難事故発生件数は453件で水難者は568人。

そのうち、命にかかわる水難事故の多くは海と川で起きていて、死者・行方不明者数を水難事故発生場所別にみると、海が106人、河川が100人、2つを合わせると全体の9割に達しています。
夏のレジャーで海や川を訪れる予定がある方は、十分な注意と備えが必要です。


水難事故における場所別 死者・行方不明者(警察庁「令和5年夏期における水難の概況」

▼ 海や川のリスクと水難事故が起きやすい状況
過去に起きた海や川での水難事故を例に、注意すべき点や対策をまとめます。

<よくある海の水難事故>
海水浴シーズンに水難事故が多発していますが、発生するのは遊泳中だけではありません。

・堤防で釣りをしていて海に転落
・浅瀬で水遊びをしていて沖に流される
・風で飛ばされた子どもの浮き輪を取ろうと海に入って溺水
・プレジャーボートなどマリンレジャー中に海中に転落

釣りやマリンレジャー中の水難事故は少なくありません。
特に服を着たまま海に投げ出されると、体の自由が利かず重大事故につながりやすいと言えます。

遊泳の予定がなくても、ライフジャケット着用や救命具などの備えは必須です。
また、海には「離岸流」という沖に向かう強い海流が存在します。

離岸流は泳ぎが得意な人でも逆らって泳ぐのは困難。
沖に流されていると感じたときは、まずは慌てずに近くに人がいたら助けを求めましょう。
泳げる体力がある場合は、流れに逆らわず岸と平行に泳ぐことで離岸流から脱することができます。

<川の水難事故>
河川では、子どもの水難事故が非常に多く発生しています。
川遊びや釣り中の事故のほか、バーベキューやキャンプなどで川辺を訪れた際にも注意が必要です。

・川遊びをしていたら、突然深みにはまって溺水
・川岸から川に飛び込んで遊んでいたら流された
・河川敷でバーベキューをした際に川に入り、急な深みにはまって流された
・キャンプ場のそばの川で水遊びをしていた子どもが流され、助けようとした大人が溺水

川での水難事故では「急な深みにはまって溺れる」ケースが非常に多いです。
陸から見ると遠浅で穏やかな川に見えても、突然えぐられたように深くなっている場所が複雑に存在しています。

水遊びがしやすそうな穏やかな流れの場所でも、うかつに足を踏み入れるのは危険。
もしものためにライフジャケットを着用して安全を確保してください。

子ども連れでキャンプやバーベキューを楽しむご家族が増える季節ですが、近くに川があるときは絶対に目を離さないようにしなくてはなりません。

子どもは川を見れば近づいてみたくなるもの。
川べりは滑りやすく川に転落する危険もあります。

川のそばでは大人が付き添うのはもちろんのこと、安全の備えがないまま川に入るのはたとえ浅瀬でもやめるべきです。


▼ 海や川での水難事故を防ぐ心得
海や川は自然のものであり、絶対的な安全は存在しません。
目で見えるものだけでは安全かどうかを測ることはできないということ。

「ここなら平気」「これくらいなら大丈夫」という思い込みや油断が重大事故を招きます。

【水難事故を回避するための安全ポイント】

□立て看板などで危険な場所を把握する
現地についたら周辺の立て看板などをよく確認しましょう。
「立ち入り禁止」「遊泳禁止」などの注意書きや柵などがあれば近づかないようにしてください。

□単独行動を避ける
海や川の事故は一瞬で起こります。
発見や救助が遅れるほど命の危険が高まりますので、常に複数で行動を。
子どもは陸から見守るだけではなく、一緒に水のなかに入って万が一の事故に備えてください。

□体調不良やアルコール摂取時は入水しない
流れや波がある自然の環境では、泳ぎが得意でも溺れるリスクがあります。
疲労や睡眠不足、アルコール摂取時などは決して無理をしないようにしましょう。

□水難事故の備えを忘れない
遊泳しないつもりの水遊びや服を着たままのマリンレジャーのときなども、ライフジャケットの着用は必要です。
事故発生時の生存率にかかわることですので、常時着用を忘れないでください。
また海や川で遊ぶときは、救命用の浮き具や救助連絡のためのスマートフォンなども備えておくとより安心です。

溺れた人を見かけても、水に入って助けようとするのは危険。
救助のために水に飛び込んだために命を落とした人は、決して少なくありません。

つかまれるものを投げ入れる、近くにいる人に助けを求めるなど、入水しなくてもできる救助活動はあります。

救助が必要なときは、「119番(消防)」または「110番(警察)」に連絡しましょう。


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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事

濱田宏彰日本市民安全学会常任理事
濱田宏彰日本市民安全学会常任理事

侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。

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