スマホ決済サービスのトラブル
▼ スマホ決済に潜むリスク
今や多くの人が手軽に利用しているスマートフォンを使った決済サービス。
急速に普及している一方で、不正利用によるトラブルも増加しているようです。
情報処理推進機構(IPA)でも「スマホ決済の不正利用」を重大なセキュリティ脅威と指摘しつつ、注意喚起として代表的な手口を公開しています。
・不正ログインによるアカウント乗っ取り
フィッシングという手法で不正に入手した情報をもとにログインを試みる手口。
パスワードを使いまわしていると複数のサービスに不正ログインされる可能性があります。
⇒あわせて読みたい!「フィシング詐欺対策」
・不正に入手したスマートフォンで決済
スマートフォンのロックがかかっていない状態で紛失したり、盗まれたりした場合、その端末を利用して不正決済がおこなわれることがあります。
最近では、eSIM(デバイスに内蔵されたデジタルSIM)を乗っ取って不正にスマホ決済を利用する手口も発生しています。
【「スマホ決済サービス」不正利用の実例】
2023年には複数のスマホ決済サービスで不正送金や不正決済が相次いで発生しました。
ロックを解除した他人のスマートフォンから自身のアカウントに不正送金した事例や、他人名義の決済バーコードを用いて物品を購入した事例なども確認されています。
▼ スマホ決済の不正利用を防ぐ対策
スマホ決済の不正利用を防ぐためには、利用者自身がセキュリティ対策を講じることが必要です。
不正利用されるかもしれない可能性を念頭に次のような対策を徹底しましょう。
(1)多要素認証の利用
パスワードに加えて、スマートフォンの生体認証やワンタイムパスワードなど、複数の認証手段を設定することで、不正ログインのリスクを軽減できます。
(2)パスワードの強化と管理
パスワードは、ほかのサービスと使いまわさず、強力で複雑なものを設定するのが鉄則。
パスワード管理ソフトを利用することで、安全に管理することが可能です。
他者には絶対に知られないよう注意してください。
(3)クレジットカード連携時の3Dセキュア利用
クレジットカード情報をスマホ決済と連携するなら、3Dセキュアなどの追加認証を有効にしてセキュリティを強化することが重要です。
(4)スマートフォンの紛失対策
スマートフォンには画面ロック等のセキュリティ対策を講じて、紛失や盗難に備えておくことが必要です。指紋認証や顔認証を活用しましょう。
(5)利用通知機能をオンにする
スマホ決済サービスには、取引の通知をリアルタイムで受け取れる機能があります。
この機能をオンにしておくことで、不正利用にいち早く気づくことができます。
通知だけではなく、利用履歴や連携する銀行口座の出金履歴を定期的に確認することも重要です。
万が一、スマホ決済の不正利用が発覚したら、すぐに決済サービスの事業者や銀行、警察に相談しましょう。
▼ スマホ決済を用いた詐欺にも注意!
スマホ決済を悪用した詐欺も確認されています。
・返金詐欺
ネットショッピングで注文した商品が届かず、販売業者から「決済アプリで返金する」と言われて手続きをしたところ、いつのまにか「返金」ではなく「送金」させられてしまうというもの。
国民生活センターでは「〇〇ペイで返金します」と言われたら警戒するよう注意をうながしています。
・二次元コードを悪用した詐欺
店頭に表示された二次元コード(QRコード※)に、偽の二次元コードを印刷したステッカーを貼りつけ、店舗以外の口座に不正に送金させる「ステッカー詐欺」が横行しています。
二次元コードを読み取る際は、不審なステッカーが貼り付けられていないかチェックのうえ、店員の方が支払いを確認してからお店を出ましょう。
※QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
スマホ決済は手軽さが魅力ですが、その分、油断が生じがち。
手軽さの裏には、多くのリスクが潜んでいることを忘れないでください。
セキュリティ対策を万全にするのはもちろん、日ごろから利用する際には慎重に取り扱うことを心がける必要があります。
安易に決済しないよう、利用の都度、確認をおこなうことが大切です。
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<監修>
濱田宏彰
セコム株式会社IS研究所リスクマネジメントグループ
シニアリスクコンサルタント/防犯設備士/防災士/日本市民安全学会常任理事
侵入窃盗を中心にあらゆる犯罪情勢の調査研究を継続。各方面に対しセキュリティコンサルティングを実施。犯罪傾向・統計情報を基にリスクマネジメントの観点から、「安全・安心」な暮らしのためのセキュリティについて研究する日々。
地域の自主防災会では常任委員を務め、日々の防災活動にも注力。
また書籍『セコムが教える防犯プロのアドバイス』『タイプ別にみる働く女性の防犯対策 ライフスタイルWoman360°』などの執筆・監修に携わる。
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