ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 2018年上半期の犯罪情勢は?
上半期の刑法犯、初めて40万件を下回ったが・・・
先日、2018年上半期の犯罪統計が警察庁から発表されました。刑法犯は39万8615件となり、前年同期比で11.6%の減少となっています。また、上半期として初めて40万件を下回りました。
罪種別にみると、近年社会問題化している「詐欺」については、今回は減少に転じています。ここのところ、他の犯罪が軒並み減少している中で増加していましたが、昨年10月あたりから、前年同期比でマイナスの傾向が続いており、その影響で今期は減少となっているようです。
一方、減少を続けていた凶悪犯が、前年比7.8%の増加となっています。「凶悪犯」とは、「殺人」「強盗」「放火」「強制性交等(旧名称:強姦)」の4つの犯罪のことです。それらの中でも、「強制性交等」が大幅に増えています。昨年の法改正で名称が変更になり、犯罪の対象が広がったことなどが影響していると考えられます。また、殺人も前年比7.2%の増加となっています。
刑法犯は減り続けているが、窃盗犯は?
県別に刑法犯の件数を見ると、前年同期比で増加となったところはありません。また、窃盗犯を見ると、こちらもほとんどは減少傾向ですが、群馬県が4.7%増、岩手県が2.6%増、福井県が増減なしとなっています。
さらに、住宅侵入盗について見ると、件数としては、相変わらず愛知県が最も多く、次いで、千葉県、東京都、埼玉県、神奈川県と続いています。これを単位世帯数あたりに換算すると、多い順に、茨城県、千葉県、愛知県、宮城県、岐阜県と続きます。
住宅侵入盗が増加した6県
上の図は、県別の「住宅侵入盗」の増減率を示したものです。前年比で30件以上増加した岩手県が48.6%増で、1位となっています。次いで、31.5%の山形県、27.0%の宮崎県、15.0%の新潟県、7.9%の宮城県、1.1%の鹿児島県と続いています。これ以外の件は全て減少となっています。
ただし、これらの増加した県の中には、前年に大きく変動したあとの戻りが大きく、今回だけ特に目立った動きとなっているものが多くなっています。
過去5年間のデータから増減傾向をみる
では、数年間の変化をならしてみてみるとどうなるでしょうか。2013年の上半期データから、2018年の上半期データまでの5年間の変動を一次近似してみると、増加傾向なのか減少傾向なのかがわかります。それを示したものが下の図です。
45の都道府県で減少傾向となっていますが、岩手県と秋田県だけが増加となっています。特に、岩手県は一昨年までの傾向では"減少"でしたが、今期2018年上半期の件数の多さが響いて、増加傾向に転じています。全国平均ではこの5年で44.5%減となっていますが、これに比べて減少率が小さい、奈良県、山形県、青森県、鹿児島県、宮城県などは、今年下半期以降の状況によっては、増加基調に変化する可能性もあります。
大切なご自宅を守るためにも、夏休み中に長期の旅行などを計画されている方は、お隣さんに一声かけ、戸締りをしっかりとしてから出発していただきたいと思います。
参考
あなたの「大切」を見守ります、「セコム・ホームセキュリティ」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
住宅侵入盗の増減率(2017年上半期と2018年上半期の比較)(警察庁の資料をもとに作成)
5年間の住宅侵入盗の増減率(2013年上半期から2018年上半期までの件数を一次近似したもの)(警察庁の資料をもとに作成)
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