ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > ネットバンキングの不正送金先トップ、中国からベトナムに
インターネットバンキングでの不正送金被害の情勢が、警察庁から発表されました。2017年の上半期の発生件数は214件で、被害額は5億6400万円となっています。2016年上半期は、発生件数が859件、被害額が8億9700万円でしたので、大幅に減少しています。個人口座における被害の減少が大きな要因であるとのことです。
一方で、仮想通貨取引所への送金を行う新たな手口が出てきています。ただし、送金された1億円相当のうち7割程度は凍結措置が取られ、被害を抑えることができています。
これらの不正に入手したお金の送金先口座の名義人の国籍を見ると、これまで中国がトップとなっていましたが、今回はベトナムが1位となっています。2015年上半期の統計では、ベトナムは0.2%とわずかでしたが、徐々に増えていき、2016年下半期には中国を抜き、さらに今期2017年上半期は過半数を占めるまでになっています。
ただし、これはベトナムが増えたというわけではないようです。2016年上半期までは、中国が600〜700件だったものが、2016年下半期以降は100件前後まで減少しています。一方、ベトナムは昨年上半期以降、おおむね200件前後で変化なく推移しており、中国への送金が急激に減少したことで、相対的にベトナムが急上昇したと言えそうです。
被害額を見ると、2015年上半期に比べ、2017年上半期はおよそ3分の1まで減少しましたが、依然として高額な被害額であることに変わりはありません。
これらの被害に遭った人のネットバンキングの環境を見たところ、ワンタイムパスワードを利用していた人は3割弱にとどまっているようです。2015年の統計では1割弱でしたので、増えてはいるようですが、ワンタイムパスワードを使用している人はまだ少ないようです。
ワンタイムパスワードは、字のごとく、その時限りのパスワードであるため、不正に送金しようとしている犯人には基本的にはわかりづらいものとなっています。これによって不正送金被害のリスクをより低くすることができます。
しかし、この仕組みを利用しているにもかかわらず被害に遭った人もいます。ネットバンキングを利用する環境のセキュリティ対策を十分に行っておくことも重要です。
先日、ワンタイムパスワード入力の偽画面を表示する新型のウイルスによる被害が報道されたばかりです。パソコンやスマホにウイルス対策ソフトなどの導入や、OSのアップデートは必ず行っておきましょう。
また、古いパソコンを使い続けることはリスクが高くなることを理解していただきたいと思います。
参考情報
不正送金を防止する安全な環境を実現「セコム・プレミアムネット」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
不正送金先の
口座名義人の国籍の割合
(警察庁、各年上半期)
被害者の
ワンタイムパスワードの利用状況
(警察庁、2017年上半期)
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