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演劇に絶対必要な要件とは?

 本日3月27日は、ユネスコの傘下にある国際演劇協会が制定した「世界演劇の日」です。演劇は、劇作家が作った戯曲(脚本、台本)を大本に、演出家がそれを解釈、俳優の演技を中心にして、大道具小道具などからなる舞台装置、照明や音楽、効果音などを組み合わせ、総合的な芸術的パフォーマンスを構成する総合芸術と考えられています。

 演劇は、文明の登場とほぼ同時に出現した人々の営みであり、人がコミュニケーションのために行っていた他者の行為のモノマネがルーツであると考えられています。その後、そのモノマネは信仰や呪術的なものと結びつき、儀式で行われるようになったと言われます。演劇のテーマとして歴史や伝説、宗教等をモチーフとしたものが多いのは、演劇がもともとコミュニケーションの一環として、情報を広く伝えるために行われていたことのなごりだとも考えられます。

 さてここで、それを取り去ったら演劇が演劇にならない基本的な要素、演劇が演劇であるための要件を考えてみます。それは「人の演技」に他なりません。大道具も小道具もない「人の演技」だけの演劇は、今でも盛んに上演されています。逆に、舞台の上に実際の「人の演技」がまったくない場合、それは演劇とは呼べず、別の名前の芸術になります。総合芸術と言われる演劇は、「人の演技」を中心に、その周りに様々な芸術表現が散りばめられる基本構造をとっているということです。

 この基本構造は「セキュリティ」にも当てはまります。ホームセキュリティという言葉から、家に取り付けるセンサーやコントローラーなどの機器、ネットワークなどの通信手段を思い浮かべる方は多いかと思いますが、これらは「セキュリティ」というサービスを提供する「人のアクション」を助ける役割の舞台装置としての位置付けであり、主役ではないのです。セキュリティでは、そのために動く人の振る舞いが、最終的にその質を左右する重要な要件になることを覚えておいていただければと思います。

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セコムIS研究所
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甘利康文

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