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その「文字のみの意思疎通」、誤解発生に注意を

 現在、電子メールは、インターネットを介した情報伝達にウェブやSNSと並んで欠かせない手段となっています。本日1月23日は「いーふみ」、「eふみ」のゴロ合わせから「電子メールの日」とされています。

 電子メールは、もともとは1台のコンピューターを使う複数の人々の間の、文字による意思疎通の手段として1960年代に開発されました。当時、コンピューターは専門家のみが触れる機械であったことから、電子メールは一般的な言葉ではなくコンピューター関係の専門言葉でした。

 電子メールという言葉が普通の人が使うようになったのは、1980年代、「パソコン通信」をする人々の文字による意思疎通の手段として、が最初なのではないかと思います。ただ、この時のパソコン通信も、まだ一部のマニア向けサービスであり、電子メールはまだまだ一般的ではありませんでした。

 電子メールが一般的になったのは、1990年代半ばからのインターネットの普及以降です。文字だけではなく画像やワープロの文書などのデータが添付できる電子メールが普及し、利便性もあって利用者が一気に増えました。電子メールは、今では電話と同じように、現代社会になくてはならないインフラになっています。

 このように進化してきた電子メールですが、今でも文字が中心の伝達手段であることに変わりはありません。電子メールの文字のみで行う情報伝達が、トラブルにつながった事例が昔から指摘されていました。電子メールでは、口調や表情など、文字以外の情報が欠落することから誤解を招きやすいのです。「どのような手段で来るのか?」という意で書いた「何で来るの?」という一文が、「なぜお前が来るのか?」という非難の言葉に取られ、問題に発展したというような例は枚挙にいとまがありません。

 電子メールは、今では誰もが使う通信インフラとしての地位を確固なものにしています。一方、電子メールは、今でも文字のみの情報伝達による誤解の元となったり、悪意のソフトを添付する形での標的型攻撃のツールとしても使われたりします。スパム(迷惑)メールの問題もいまだ残っています。利便性とリスクは表裏一体、世の中全般に言えることです。私たちは、電子メールを使う際にもこのことに十分気をつけなければならないのです。


セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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