ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 不安定とはどういう状態か?
先日、乗客の持っていたリチウムイオンバッテリーからの出火で電車が止まる事故がありました。今回は、エネルギーが蓄えられた状態がどういうことかを考えてみたいと思います。
天気予報で「大気の状態が不安定」という表現をよく聞きます。上空に冷たく重い空気が、地表近くに暖かく軽い空気がある状態のことです。上が重く下が軽い物体が不安定で転びやすいのと同様、重い空気は下に、軽い空気は上に移動しやすいのです。その際、局地的な大雨やヒョウや落雷が起こるため、「大気の状態が不安定」な天気には注意が必要なのです。
重い物体が高い場所にある状態は、物理的なエネルギーが蓄えられた状態ということです。水力発電は、水という重い物体が高いところにある状態をうまくコントロールしながら電気を取り出しています。この蓄えられたエネルギーがコントロールされずに一気に放出されると鉄砲水や土石流などになり、災害につながります。
一般に、「不安定な状態」とは、何らかの形でエネルギーが蓄えられた状態です。蓄えられたエネルギーは、外に出たくてウズウズしています。この蓄えられたエネルギーがコントロールを失うと、一気に放出されて事故につながるのです。
リチウムイオンバッテリーは沢山のエネルギーを、効率よく蓄えることができます。別の言葉で言うと、充電されたリチウムイオンバッテリーは、とても不安定であり、扱いには注意が必要だということです。コントロールを失うと、蓄えられたエネルギーが一気に放出され、事故につながる可能性が高いのです。
エネルギー蓄積の効率性とリスクは、同じコインの裏表の関係です。小はスマホなどの携帯電話やノートPCなどの情報機器、大は電気自動車や飛行機などの乗り物、リチウムイオンバッテリーは、現代社会の基盤を支える重要な役割を担っています。一方、その扱いには十分な注意が必要なものでもあるということを覚えておいていただければと思います。
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