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壁によって建物を支える工法

 本日10月24日は、住宅月間10月のうちの24日ということで「ツーバイフォー(2×4)住宅の日」とされています。「2×4工法」は、正式には「木造枠組壁構法」と呼ばれる建築の手法で、断面が2インチ×4インチの構造用木材で作られた「壁パネル」で、建物を支える構造を作る工法です。壁で支えるところが、柱で建物を支える日本の伝統的な建築物と異なるところです。

 過去に紹介したことがありますが、神社仏閣などに多く見られる日本の伝統工法は、柱の上に屋根をのせた「東屋」形式が基本です。そのため、部屋と部屋、家の内外を仕切る「架設の壁」である「ふすま」や「雨戸」などを取り払うことで、高温多湿の日本の夏に対応するための風通しが確保できるようになっています。

 これに対し、2×4工法が生まれた欧米の建物は、まず建物の周りを囲う壁を作り、その上に屋根を載せる基本構造をしています。最初に石やレンガで壁を積み上げ、その上に屋根が形作られるという伝統の流れです。時代が移って、木で家を建てるようになっても、最初に壁を作るという文化がそのまま残ったものと考えられます。

 2×4工法は、建物の重さを壁で支える構造をしているため、壁そのものを取り払うことで風通しを確保することが難しい反面、外からの力を壁という面で分散して受ける構造をしていることから、風や地震による外力に強いという特長があります。また、雨戸やふすまなどではなく、壁で囲われていることから、外からの侵入に強いのも利点となります。

 今では日本の伝統工法も、必ずしも柱だけで建物を支えているわけではありませんが、壁によって力を分散させる構造の2×4工法は、実は、台風や地震などの災害が多い日本に合った建物の建て方と言えるのかもしれません。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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