ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 官民の努力で阻止率が50%を超えた特殊詐欺被害
2016年上半期の特殊詐欺の情勢が警察庁から発表になりました。
オレオレ詐欺などを含む振り込め詐欺が6129件、金融商品取引名目の特殊詐欺などを含む振り込め詐欺以外の特殊詐欺が314件で、合わせて6443件となっています。前年比で、前者が4.1%の減少となっています。また、後者の減少は特に大きく、49.3%の減少となっています。
この件数と総被害額をもとに、1件当たりの被害額を示したものが上の図です。依然として高いままの推移となっていますが、やや減少傾向へと変わってきています。
このように減少傾向に変わってきた要因の一つとして、阻止率の向上があります。ATMで携帯電話を利用している人に声をかけたり、宅配便などで送金しようとしている人に注意したりといった、官民を挙げた地道な努力が功を奏しているといえそうです。
下の図のように、2016年上半期での阻止率が50.9%となり、被害を半分に食い止めていることがわかります。
とはいえ、犯人側も新しい手法を次々と開発しており、被害金の送付方法に新種が出てきたことは、以前このコラムで書かせていただきました。
コンビニの電子マネーを悪用したものや、ネット販売の支払い方法の一つとして利用されているコンビニ支払いを悪用したものなどが出てきています。新たな手口がある程度増えてくると、統計の値としても表示されるようになりますが、今回の統計では、電子マネー型による被害の件数および被害額が記載されるようになりました。
今後も、新しい手口が出てくることが予想されます。犯人と話すと、言葉巧みにだまされる可能性が高くなります。直接、話さなくても済むように、留守番電話の活用も検討してください。
参考情報】
・データから読む「コンビニ支払いを悪用した架空請求詐欺が登場」
・データから読む「SNSを介したオレオレ詐欺の登場!?」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
特殊詐欺の1件当たりの
被害額の推移(警察庁)
特殊詐欺の阻止率の推移(警察庁)
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