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針供養と製品安全

 本日2月8日は「事八日(ことようか)」の日、関東では「針供養」が行われる日です。長いこと使って使えなくなった「針」を、それまでの労に感謝しながら神社などに奉納する行事が行われます。

 古来、日本では、長く使った生活用品などの道具には、精霊が宿って「付喪神(つくもがみ)」と呼ばれる特別な存在になると信じられていました。そのため、ものは大切に使い、使えなくなった後でも、決して乱暴にうち捨ててはいけないと考えられていたのです。

 折れたりさびたりして使えなくなった針も、長く使ったことで特別な存在となっていることから、これまでの労に感謝しつつ神々の世界にお帰りいただく儀式である針供養が行われるようになったものと思います。

 針供養が今も行われていることからも分かるように、身の回りにあるいろいろなものに「なにものか」が宿るという考え方は、現在も残っており、それが日本人の「ものを大切に使う」という姿勢につながっています。

 一方、「もの」はどんなに大切に扱ったとしても、時間経過や使用頻度とともに劣化していきます。特に、電気やガスなどのエネルギーを扱う器具では、この劣化が事故につながる可能性が大きいことから「古いものを使い続けること」に対する注意喚起がなされています。

 これからの「針供養」の日は、「針」に限らず、長く使った機器などについても、これまでの働きに感謝しつつも、新たな機器として「生まれ変わる日(リサイクルの日)」にしても良いのかもしれません。

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セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文

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