ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > クレジットカードのなりすまし使用が増加中!
日本クレジット協会の調査によると、2015年1〜3月に発生したクレジットカードの不正使用による被害額は、24億6000万円に上るようです。
かつて、カードの不正使用といえば、カードの情報を盗み取り、それを"生カード"と呼ばれるものに記録して、そのカードを不正使用するという、いわゆる偽造が中心でした。ところが、近年では傾向が変わってきています。
偽造カードによる被害は減少したが
右の図は、クレジットカードの不正使用の被害額の推移を示したものです。2000年頃は、年300億円くらいの被害額となっていましたが、2012年には70億円ほどに減少しています。
最近のクレジットカードは、ICチップが組み込まれるようになり、セキュリティレベルが向上しています。このため、偽造が難しくなっていることが、被害低減に効いたと考えられます。
右図の折れ線グラフが、偽造カードによる被害の割合を示しています。一時期、偽造カードによる被害の割合は60%ほどありましたが、最近では20%を下回るようになっています。偽造カードが少なくなる一方で、幅を利かせてきたのが、その他の不正使用です。
クレジットカード番号などの盗用による被害が5割以上
その他の不正使用のうち、近年増加しているのが、番号の盗用による不正使用です。2014年の番号盗用被害額は、全体の56.4%となっています。偽造カードの割合が17.4%であるのに比べて、かなり高い割合となっています。
皆さんの中には、ネット通販などでクレジットカード決済を利用される方もいらっしゃると思います。この時に必要なカード情報を思い出してみてください。カード番号、氏名、有効期限の3つです。また、ネットショップによっては、セキュリティコードの入力を求められたり、3Dセキュアと呼ばれる仕組みでパスワードの入力を求めたりして、セキュリティレベルを向上させている場合もあります。しかしながら、これらの情報を盗まれてしまうと、不正使用を許してしまうことになります。
まずは自衛しましょう
現在、多くのクレジットカードでは、盗難・紛失の場合の不正使用については補償される仕組みとなっています。しかし、カードそのものが手元にあるにもかかわらず、不正使用された場合については、約款に記載されていないことが多いようです。特に、番号盗用などによるなりすましについては、ほとんどの場合、補償の仕組みが整っていないのが現状のようです。
今年に入ってから、経済産業省とクレジット協会が中心となって「クレジット取引セキュリティ対策協議会」が設置され、クレジットカードショッピングを、安全かつ安心して使うことができるように議論が進んでいます。国内で使用されているクレジットカードのうち、磁気ストライプだけのものは4割弱あり、これを2020年までに廃止して、IC化を進めるとのことです。
このように、今後、業界としてのさまざまな対策が出てくることを期待したいと思います。それまでは、ネット通販を利用する場合は、怪しいサイトでの購入はしない、パソコンのウイルス対策は確実に行っておく、また、リアル店舗での利用の場合でも、怪しい店舗でのカード利用は控えるなどといった自衛策を意識していただきたいと思います。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
クレジットカード不正使用被害の推移
(日本クレジット協会のデータをもとに作成)
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