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7月に入り、そろそろ夏休みの予定を計画中の方も多いかと思います。中には、海外旅行を検討中の方もいらっしゃるでしょう。
先日、筆者は長期休暇をいただき、英国に旅行に行ってきました。日本より緯度が高く、涼しく快適でした。"通りゃんせ"の歌に、「行きはよいよい帰りは恐い」というフレーズがありますが、それに遭遇してしまいました。
飛行機からブリッジを通って、成田のターミナルの建物に入るところで、筆者の名前が書かれたボードを持った空港職員がいました。聞くと、スーツケースがこの飛行機に載っていないとのことでした。とうとうロストバゲージに出会ってしまったのです。
低下するロスト率
スイスのSITAがまとめた「Baggage Report 2015」によると、2014年の航空機搭乗者数は33億人にのぼり、そのうち2410万個の荷物がロストバゲージとなっています。1000人当たりの数に直すと7.3個です。
近年で、バゲージがなくなるロスト率が最も高かったのは2007年の18.9個でした。その時から比べると61.3%もダウンしていることになります。搭乗者数が増えているにも拘わらず、ロスト率が低下しているのは、航空業界の努力の賜物と言えるのではないでしょうか。ちなみに、航空業界全体で180億ドルの節約になっているそうです。
ロスト率の高いヨーロッパ
今回のレポートにはありませんでしたが、2014年のレポートには、地域別のロスト率が載っています。アジア、北米、ヨーロッパの3つの分類で書かれており、いずれの地域でもロスト率は下がっているようですが、ヨーロッパの高さは目立ちます。
2013年の1000人当たりのロスト個数は、ヨーロッパで9.00個、北米で3.22個、アジアで1.96個となっています。2007年時点に比べて、順に7.60個の減少、3.83個の減少、1.09個の減少と大きく改善しています。
すでに利用された方もいらっしゃるかと思いますが、航空会社によっては、電子式タグを採用したり、自宅でプリントアウトしたバーコードをタグとして、そのまま使うことができるようにしたりと、セキュリティ面と利便性を両立させたものも出てきています。
スーツケースに入れるものは要検討
私事の話に戻りますが、帰国前に購入したいくつかのお土産品の中に、チョコレートもありました。万が一のロストバゲージに備えて、チョコレートはスーツケースに入れずに、機内手荷物としていました。今回利用したのは直行便ではなく、とても暑い国でのトランジットで、帰国するときに立ち寄った際には、温度計は39℃となっていました。もしも、スーツケースにチョコレートを入れていたらと思うと、より一層、「帰りは恐い」という状態になっていたかもしれません。ちなみに、翌日の便で荷物は届きました。
海外旅行は万が一を考えて
今回も、街中の防犯カメラやセキュリティ機器に、思わず目が行ってしまい、職業病だなあと思いましたが、ロストバゲージを経験して、海外旅行ではより一層リスク管理が重要であると思いました。皆さんも、海外旅行の際は、日本にいる時とは違うということを認識していただき、「もしも」という視点に立っていただきたいと思います。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
乗客数(右軸:単位10億人)と
荷物のロスト数(左軸:単位100万個)
(SITAのWebサイトより引用)
街なかの至るところで見られる
「CCTVカメラ運用中」の文字
英国で「セコムしている」ところがあり
ました。(記事とは直接関係ありません)
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