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6月1日に、道路交通法が改正され、自転車走行時の違反取締りが厳しくなったのはご存じのことかと思われます。先日、近所の交差点の辻に30分ほど立って、街なかを行く自転車を観察してみましたが、取締りの対象になりそうな走り方をしている人は、一時期よりもかなり減ったように感じられました。
とはいうものの、歩道を走行する人は相変わらず多いようです。そんな自転車ですが、先日、国民生活センターから、自転車の事故やケガに関する相談についての発表がありました。ロードレーサーやクロスバイクなどの、いわゆるスポーツ車の事故やケガの相談が増えているとのことです。
スポーツ車の相談が2割
2010〜2014年度の5年間に寄せられた、自転車の危害・危険に関する相談は838件で、そのうちスポーツ車に関するものが152件と、全体の18.1%あったそうです。例としては、走行中に前ホークが外れたとか、サドルがゆるんだとか、前輪が外れたなど、さまざまな報告があったようです。
右の図は、自転車産業振興協会が調査した自転車の販売状況を示したものです。販売店1店が1年間に販売した台数が発表されています。それらの数字を用い、10年前の2003年を1としたときに、各年の販売台数を指数化したものを作成しました。これを見ると、多くの車種で横ばいとなっている中、いわゆる「ママチャリ」と呼ばれるホーム車が1.3倍ほど、電動アシスト車が1.8倍ほどと増えています。それ以上に増えているのがスポーツ車で、3.5〜4倍となっています。
乗車前点検の重要性
このように、スポーツ車の普及が急激に進んだため、国民生活センターに寄せられる相談件数も増えていると考えられます。自転車の構造上の問題によって、走行中に転倒した場合、大きなケガになることは想像に難くありません。自転車店では、しっかりと調整を行い、問題のない状態で販売しているはずです。フレームが折れたなどの、自転車の車体そのもの問題がある場合は別ですが、ほとんどの場合は部品のねじやボルトの緩みから来ているものと見受けられます。
自動車の免許を取得するとき、自動車教習所に通う方が多いかと思いますが、運行前点検を必ず行ったと思います。道路運送車両法第47条の2に定められています。これと同様に、自転車も乗車前に点検が必要と考えられます。
自転車が発する"声"にも耳を傾けて
とはいえ、自転車に乗る前に、毎回毎回チェックするのは難しいものです。毎日は無理でも、時々行っていただきたいと思います。
筆者は、ロードレーサーやマウンテンバイク、ランドナー、ミニベロなど、いろいろな自転車に乗りますが、どれも完成した状態で購入したことがなく、すべて自分で組み立てて作製しました。もちろん、フレームは自分で作ることはできませんが、ハブとスポークとリムを購入してきて、ホイールを組んだこともあります。ですので、自転車の不調はすぐにわかります。
簡単に自転車の不調がわかる方法がありますのでご紹介します。自転車を10センチくらい浮かせて、ストンと落としてみてください。ガタついていたり、外れそうになっていたりする箇所から、いつもと異なる音がするはずです。その際には、自転車専門店にすぐに相談してください。
チェックによって、事故を未然に防止することは、重要なリスクマネジメントといえます。きちんと整備して、安全な状態で乗っていただきたいと思います。また、年に1回程度、自転車専門店で定期点検を受けることもオススメです。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
自転車の車種別販売台数
(自転車産業振興協会の資料から作成)
(※2011年までは年度、2012年以降は暦年)
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