ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 人は目で見てはじめて分かったような気になる
前回のコラムでは、郵便制度などの通信インフラの有無が、人々の安心感と大きく関わってくることについて紹介しましたが、今回は、視覚を使った情報の伝送と人の認識について考えてみたいと思います。
・「百聞は一見にしかず」は可視化への欲求?
前回のコラムで紹介したように、私たちの祖先は、情報を伝えるために、その情報を「文字」の形で表現(コード)する手法をあみ出しました。一方、文字は必ずしも、情報を他者に伝えるためだけに使われるわけではありません。
人は、自分の考えをまとめるために、その考えを書くことがあります。たとえ自分の考えであっても、文字の形でいったん可視化し、それを再び見ることで、そこに潜んでいる矛盾などを見つけやすくなるからです。「百聞は一見にしかず」は、こういう観点からも言えるのではないかと思います。
・情報は、可視化すると瞬時に伝えることができる
文字の形にコードした情報は、紙などの媒体に記録することができます。情報を文字の形でコードする方法をあみ出した人類は、それが記録された媒体を運搬したり残したりすることで、場所や時間を超えた人々ともコミュニケーションすることができるようになりました。一方、情報をコードした文字がのった媒体を運搬する方法では、情報伝達の速さに問題がある場合もありました。
視覚による情報は、その特性上、瞬時の情報伝送が可能です。そのため、視覚を用いて、より早く情報を伝えようとする試みは、世界各地において古くから行われておりました。見晴らしの良い場所で、火を焚き、そこから上がる「煙のパターン」で情報をコードする方法です。この「のろし」と呼ばれる視覚を使って瞬時に情報を伝える通信は、洋の東西を問わず古くから行われており、世界各地にそれにちなんだ地名が残っています。
戦国時代、武田信玄は、この「のろし」による情報をリレーでつなぐことで、甲斐に居て越後の上杉謙信が出撃したことを、瞬時に知ることができたそうです。火薬を使って夜空にパターンを作る花火も、もともとは「のろし」の一種として、夜間の情報伝達のために作られたものです。
視覚による情報伝達は、ネットワークを介して情報が瞬時にやり取りされるようになった今の世も、現役で使われています。私たちが日々目にする「赤青黄」の交通信号や、緊急車両の回転灯、車のブレーキランプや方向指示器などがそれにあたります。船舶に情報を伝える灯台や、空港で滑走路に置かれた誘導灯なども、視覚による情報伝達の一つと言えるでしょう。
・情報は「一目瞭然」の形にすることが求められる
「百聞不如一見(百聞は一見にしかず)」、「Seeing is believing(見ることは信じること)」など、世界各地にある言い回しにある通り、人が知覚によって得る情報のうち最も情報量が多いものが「目からの情報」、視覚情報です。それゆえ、人は目からの情報を断たれる暗闇の中に置かれると不安を感じます。自分の周りの状況が分からなくなるからです。
現代では、多くの情報源から山のようなデータが得られ、ネットワークとコンピューターによって、それが瞬時に収集、処理されるようになっています。このようになった現代でも、ほとんどの情報は、集約化、要約された上で、グラフなど一目で分かる形に加工、可視化されて、ディスプレイ上に表示されています。目で見ることによって始めて、直感的に「分かった」と感じるという人の認識の特性からです。この人の認識の特性を考えると、一瞥(いちべつ)で分からない情報は、直感的には使いにくい情報だと言っても良いでしょう。
・セコムのセキュリティサービスでは?
セコムの提供する「セキュリティサービス」、そしてそれによってもたらされる「安心感」には、目に見える実体がありません。そのため、人は、自らの視覚で、その存在を直感的に認識することができません。この人の認識の特性があるがために、目に見えないセキュリティサービスを「可視化」、万人が分かる形で直感的な「安心感」を感じてもらうためにも、「セコムのステッカー」という存在があるのです。こんなところからも、セコムが、自らのセキュリティサービスの証として、ステッカーを大切にしていることがご理解いただけるのではないでしょうか。
【関連情報 pick up!】
・安心豆知識「情報の価値とセキュリティとの関係」
・安心豆知識「ブレーキランプを5回点滅したことありますか?」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
甘利康文
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |