ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > その存在は、人々の安心感を左右する 〜 郵政記念日に寄せて 〜
・郵便制度発足にちなむ日
本日4月20日は「郵政記念日」です。1871年(明治4年)、「日本郵便の父」と呼ばれ、1円切手の肖像にもなっている前島密(ひそか)が、日本において公営の郵便制度をスタートさせたことにちなんで制定されました。切手やハガキなどの日本語は、彼が作った言葉なのだそうです。
近代郵便制度は、届ける距離によらず一定料金とした方が、社会インフラとしての費用対効果が優れていることを見出したローランド・ヒルによって1840年に英国で始まりました。
距離によらず一定料金、前払い、料金を払った証憑印紙である切手や消印といった、郵便の仕組みはこのときに整備されたもので、特に、距離によらず一定の料金で信書を届けることができる点が、当時の社会常識を打ち破った画期的な制度だったようです。
・周りの人々に情報を伝達する手段
情報を伝達し、共有することを私たちは「コミュニケーション」と呼んでいます。人が行った最初のコミュニケーションは、複数の声を組み合わせてパターンを作り、それを「道具」として使って「モノや出来事などの意味」を表すようにした体系「言葉」によるモノです。遥か古(いにしえ)の時代から、人間の社会は、言葉によるコミュニケーションによって成り立っており、これこそがヒトをヒトたらしめたといっても良いでしょう。
鳴き声や振る舞いなどによるコミュニケーションは、ヒト以外の動物も行っていますが、複数の声を組み合わせたパターンを複雑に変化させることで、自分の意図を表現し、コミュニケーションを行っているのは、私たち人類だけです。
・離れた人々に情報を伝達する手段
私たちの祖先は、やがて、この声のパターンで表されていた情報を、表現(コード)する手段として「文字」の体系を生み出しました。人類は、これを用いることで、自分の周りだけではなく、場所や時間を超えた人々ともコミュニケーションすることが可能となりました。伝えたい情報を、何らかの形で「物理的に表現」(コード)し、それを別の地点に伝えることは「通信」と呼ばれます。
伝えたい情報を、文字としてコードし、それが記述された「紙」という物理媒体を、早く安価に、かつ早く送達することができる近代郵便の登場は、当時としては画期的な出来事だったに違いありません。近代郵便が、誰もが、安価に、かつ(当時としては)早く、確実に情報を伝えること(通信)ができる手段だったからです。
文字の形でコードされた情報を記述する媒体としての「紙」や、その文字を広く伝えるための「印刷技術」など、情報を伝えるための通信技術は、人類の文明を発展させてきた大きな要因の一つです。近代郵便は、社会制度であり、紙や印刷などの技術とは異なりますが、これが発明されたことは、現代社会の基盤を支えるインフラの登場という意味で、人々の生活に大きな影響を与える画期的な出来事だったと言っても過言ではありません。
・安否確認手段の存在は、人々の大いなる安心感につながる
天敵が近づいているなどの、差し迫った危険を、ある特定の鳴き声などで、離れたところにいる仲間に伝えるものが、人類以外の動物が行う代表的な、また一番原始的なコミュニケーションです。鳴き声や立ち振る舞い以外の、情報をコードする手段を手に入れた人類にとっても、脅威が迫っているなどの、身の危険に関係する情報を伝えるのは、一番重要なコミュニケーションです。この情報をいかに早く、正確に伝えるかの工夫が、人類の文明が発展する一翼を担ってきたとも言えます。
古今東西を問わず、身内の安否を確認したいという思いは、人の本能と言っても良いかもしれません。19世紀になって発足した近代郵便制度ですが、身内の安否などの情報を、安価で確実に、そして(当時としては)早く、伝えることができる手段を提供したという意味で、当時の市井に生きる人々に、大きな安心感を提供したのは間違いのないところでしょう。
郵便制度などの通信インフラが、人々の安心感と密接に関わっていることがお分かりいただけるのではないかと思います。
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