ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 前年比14倍となったインターネットバンキングの不正送金
先日、警察庁から、2013年のサイバー犯罪の検挙状況などが発表されました。不正アクセス禁止法違反の認知件数は2951件で、前年比1700件と大幅に増加しています。この中で最も多いものは、インターネットバンキングの不正送金で1325件となっています。新聞やテレビなどでも、不正送金事件は多く取り上げられましたので、ご存知の方も多いかと思います。
今回は、この不正アクセスについて書いてみたいと思います。
増加しているインターネットバンキング利用者
全国銀行協会によると、インターネットバンキングの利用率は65%で、そのうち週に1回以上という人が13%、2〜3週間に1回という人も13%、1か月に1回くらいという人が18%ということです。つまり月に1回以上利用するという人は4割強という状況になっています。インターネットショッピングでの振り込みなど、何らかの支払いで利用しているという人が増えているようです。
全銀協のアンケートでも、近所のコンビニのATMや銀行のATMに出向かなくてもよいとか、24時間いつでも利用できるとか、というメリットを挙げる人が多いようです。
ネットショッピングの不正購入も急増
ここ数年の不正アクセスの行為の内訳のいくつかを右の図に示しました。
インターネットバンキングの不正送金は、前年比13.9倍に増加しています。最近では各行のトップページやログインページに、不正利用に関する注意喚起が必ずと言っていいほど表示されるようになっています。中には、確実に目にしてもらうために、派手な配色にしているところもあるくらいです。他人の口座に不正アクセスするためには、ログインのIDとパスワード、送金する際に必要となる第2パスワードや乱数表が必要となります。これらを入手するため、犯人はニセのWebサイトに誘導して、何らかの理由をつけて入力させようとします。さらには、他人のパソコンを乗っ取って、上記の個人情報を入手するという手口まで出ています。
これらの被害に遭わないためにも、インターネットを利用する際には、セキュリティに十分に気を配っていただきたいと思います。また、インターネットショッピングの不正購入も前年比4倍以上となっており、今後注意が必要なものの筆頭と言えそうです。
不正送金の被害者にならないために
ニセのインターネットバンキングの画面は、本物の画面とそっくりに作られています。ちょっと見ただけでは、本物と見分けがつかないかと思われます。正規のサイトで、IDやパスワードを入力する画面では、URLを表示するところなどに南京錠のカギマークが表示されます。セキュリティが確保されているサイトである目印です。また、正しいサイトである証明書を表示させて、真偽を確かめるようにしましょう。加えて、パソコンなどのOSやウイルス対策ソフトのアップデートも確実に行ってください。
来週、サポートが終了となるOSもあります。このOSを使い続けることによるリスクは小さくありません。早いうちに、新しいOSや新しいパソコンの導入をご検討ください。
セキュリティと利便性は相反する
全銀協の調査で、インターネットバンキングを利用しない人の理由で、セキュリティ面の不安がトップとなっています。怪しいものには近づかないというのは、重要なリスクマネジメントと言えますが、一方で、非常に便利なツールであることも事実です。利用される方は、各行の注意喚起をもう一度お読みいただき、この卑劣な犯罪の被害者にならないように注意していただきたいと思います。
【関連情報 pick up!】
・データから読む「インターネットバンキングの不正送金が過去最高に」
・正しいサイトの証「セコムSSLサーバー証明書」
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
子どもの安全ブログ | おとなの安心倶楽部 |
女性のためのあんしんライフnavi |