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防災に関する世論調査で明らかになった国民の防災意識向上

 先日、内閣府から防災に関する世論調査の結果が発表されました。内閣府が不定期で行っている調査で、今回のものは東日本大震災後に初めて行ったものです。
 この中で、自分や家族がどんな自然災害で被害に遭うと思うかという設問で、多くの人が「地震」を挙げています。複数回答ですが、80.4%の人が地震と答えています。次いで、風による災害が48.1%となっています。この中には、竜巻や突風、台風などが含まれています。3番目には、河川の氾濫が19.6%、4番目には、津波で17.8%となっています。

災害に対する不安は前回に比べ高まっている
 防災に関する世論調査は、不定期ですが、国民の防災意識を調査し、未然防止および被害軽減の施策の参考とするために行われています。今回の自然災害に遭うかどうかという設問と同様なものを行ったのは、2002年の世論調査です。その時の結果と比べると、国民が感じる災害リスクは大きくなっているようです。
 右の図は、過去5回分の調査結果を並べたものですが、地震や津波の増え方はとても大きくなっています。また、竜巻が頻発したり、接近する台風が強力なものであったりして、大きな被害を見聞きしたことによって、風による災害に対する不安も大きくなっているようです。

大きな災害が起こるたびに防災の意識は高まっている
 右の図をみると、過去に起こった災害によって、防災意識は大きく変わってきているようです。オレンジ色のグラフをみると、1995年の阪神淡路大震災後では、多くの人が地震に対して不安に思っていたことがわかります。また、紫色のグラフでは、1993年の北海道南西沖地震による奥尻島の被害を見て、津波の恐ろしさを感じた人が多くなったのかもしれません。その後、1999年の調査と2002年の調査では、津波の事は少し忘れられていたようです。しかし、2011年の東日本大震災の津波によって、危機意識が高まったといえそうです。

家族と防災について話し合って意識をもっと高めましょう
 今回の調査で、家族や身近な人と災害について話し合いを行ったことがあるか聞いたところ、「ある」と答えた割合が62.8%となりました。前回2002年にも同様な設問がありましたが、その時の「ある」の割合は34.9%でしたので、多くの人が身近な人と災害についての意識を新たにしたといえそうです。
 東日本大震災以降、地球の中の動きが変わってきたといわれています。また、地球の温暖化などの影響や、偏西風の蛇行などで、気象状況も大きく変わってきているようです。地震や津波、台風だけではなく、寒波による大雪、猛烈な上昇気流によるゲリラ豪雨、もしかしたら富士山の噴火など、いままで体験したことがないような天変地異が起こらないとも限りません。万が一に備えた事前準備、さらには高い防災意識を持ち続けてほしいと思います。

【関連情報 pick up!
セコムの調査でも、家族と話し合いをした人は大きく増加した

セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰

自分や家族がどんな自然災害に遭うと思うか(内閣府のデータを基に作成)

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