ホーム > ホームセキュリティ > 月水金フラッシュニュース > 月水金フラッシュニュース・バックナンバー > 前年比10%増となった詐欺犯罪
先日発表になった、警察庁の犯罪統計には、主要犯罪の最近5年間の件数推移や検挙数推移がグラフとして掲載されています。刑法犯の4分の3を占める窃盗犯の減少が続いているため、全体として減少傾向となっていますが、一部の犯罪では増加傾向となっています。
特に、粗暴犯や風俗犯は増えています。増えているとはいうものの窃盗犯の件数に比べて、粗暴犯は10分の1、風俗犯は100分の1の件数なので、大勢に影響を与えていませんが、実は増えています。一方、この5年で初めて増加に転じたものが知能犯です。
振り込め詐欺の被害はすでに異常事態!
知能犯の増加につながったものとして、詐欺の増加があります。詐欺は前年比で10%の増加となっており、他の犯罪をみても、これだけの増加率を示しているものは、あまりありません。いまや社会問題ともいえる振り込め詐欺などの特殊詐欺が大きく増えていることも影響しています。その特殊詐欺ですが、2013年の被害総額は480億円を超えました。神奈川県警では、対策として「電話でお金を要求する息子はサギ!?」と表記するポスターを駅に掲示するまでになっています。
350万円を超えた一件あたりの被害額
一件あたりの被害金額も上昇が続いています。右の図は、ここ数年の振り込め詐欺一件あたり被害金額の推移です。警察庁が振り込め詐欺の統計を取り始めた2004年からしばらくは、横ばいとなっていましたが、2010年あたりから急増しているのが見て取れます。
また、2013年の月別被害金額をみると、12月には一件あたり350万円を超える被害額となっています。さらに、振り込め詐欺以外の特殊詐欺では、一件あたり1000万円を超える被害額となっている月も出てきています。
息子はサギ!警察官もサギ!
最近では、「だまされた振り作戦」を逆手に取った犯行がみられるようになってきました。本当の「だまされた振り作戦」は、協力をお願いするのは本物の警察官です。しかし、警察官を騙った犯人が「だまされた振りをして、お金を渡してください」とうそぶき、そのままお金を詐取するというケースが出てきています。「警察に協力しよう」という親切心を、うまいこと引き出す手口と言えます。先の「電話でお金を要求する息子はサギ!?」のポスターではありませんが、かかってきた電話については信用せず、サギ!?と思っておいてもいいかもしれません。
セコムIS研究所
リスクマネジメントグループ
濱田宏彰
振り込め詐欺の一件あたり被害額推移
(警察庁の統計をもとに作成)
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